予兆詩第146番

予兆詩第146番(旧135番) 1567年5月について

原文

Du pere au fils s'approche : magistrats1 dits severes2.
Les grandes nopces, ennemis garbelans
De latens mis avant, pour3 la foy d'improperes.
Les bons amis & femmes contre tels groumelans. *1

異文

(1) magistrats conj.(BC) : Magistrats T.Eds.
(2) severes : seuere 1605 1628 1649Xa
(3) pour 1594JF : par T.A.Eds.

(注記1)この詩の初出である『1567年向けの暦』は現存していないため、底本になっているのは1594JFである。
(注記2)ジャン=エメ・ド・シャヴィニーの手稿『散文予兆集成』には、綴り直されたバージョンが収録されている。

日本語訳

父から息子へとそれが近づく。行政官たちは厳格な者たちとの異名を取る。
敵たちが討議するなかで、大いなる婚礼は、
非難されるべき信仰のせいで、隠れた者たちによって前に置かれる。
良き友や女性たちは不平を言う者たちに対抗する。

訳について

 groumelans は groumeler の現在分詞だが、これは grommeler の揺れである。

信奉者側の見解

 ジャン=エメ・ド・シャヴィニーは、1572年のサン・バルテルミーの虐殺と解釈した。この虐殺事件がアンリ・ド・ナヴァルの結婚式に出席したユグノーの有力者達の殺害を契機に広がったことが、2行目と3行目に描かれているとし、「敵たち」はローマ教皇やスペイン王などの対外的な利害関係者たちだとした。1行目はプロテスタントであったことから、王位継承権を持っていたにもかかわらず、パリ高等法院などもアンリ・ド・ナヴァルの即位に反対していたことを指すという*2


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最終更新:2010年09月06日 22:24

*1 原文は Chevignard [1999] p.185 による。

*2 Chavigny [1594] pp.202, 285