Recueil des Presages Prosaiques de M. Michel de Nostredame

 『 ミシェル・ド・ノストラダーム師の散文予兆集成 』(Recueil des Presages Prosaiques de M. Michel de Nostradame)は、1589年にジャン=エメ・ド・シャヴィニーがまとめた手稿。彼が著作をまとめる上での参考資料となったが、公刊されることはなかった。

【画像】手稿の扉 *1

正式名

  • Recueil des presages prosaiques de M. Michel de Nostradame lors qu'il vivoit, Conseillier du Roy tres chrien Charles IX. du nom, et medecin ordinaire de sa Mag .
    • Oeuvre qui se peut dire a la verité, les merveilles de nostre temps, ou se verra à l'oeil toute l'histoire de noz troubles et guerres civiles de la France dez le temps qu'elles ont commencé, iusques à leur entiere fin et periode non seulement, mais aussi plusieurs choses rares et singulieres advënues et à venir en l'estat des plus puissans empires, royaumes et principautez, qui auiourdhuy levent le chef sur la terre.
    • Extrait des Commentaires d'iceluy & reduit en XII. livres par Iean Aime de Chavigny Beaunois.
    • Cularonae Allobrogum
    • M.D.LXXXIX.
  • 生前、敬虔なるキリスト教徒たる国王シャルル9世陛下の顧問と常任侍医を務めたミシェル・ド・ノストラダーム師の散文予兆集成
    • 間違いなく我々の時代の驚異と言われうる作品。あるいは我々の時代が体験したフランスにおける騒乱と内戦の歴史をはじめから終わりまで目の当たりにさせてくれるだけでなく、多くの来るべき稀少な物事や特異な物事、現在の地上に勃興している最も強大なる諸帝国、諸王国、諸公国が未来にどうなるのかをも目の当たりにさせてくれるであろう作品。
    • ボーヌのジャン=エメ・ド・シャヴィニーによって、その作品の文言が抜粋され、12巻に再構成されたもの。
    • クラロナエ・アロブログム
    • 1589年

 クラロナエ・アロブログムはグルノーブルのラテン語名である。

内容

 ノストラダムスが暦書類に発表していた1550年向けから1567年向けまでの「予兆」が全12巻にまとめなおされている。題名に「散文予兆」とあるが、予兆詩も含まれている。

第1巻

 他の巻に比べて対象としている年が多いが、これは1553年向けまでの分量がかなり少ないためであろう。
  • 1550年の予兆(Des presages de l'an 1550)
    • 第2番から第11番(pp.5-6. 第1番は予兆詩第1番にあてられている)。対応する暦書は特定されていない。
  • 1552年の予兆(Des presages de l'an 1552)
  • 1553年向けの予兆(Des presages de l'an 1553) p.9-13
    • 第38番から第90番(pp.9-13)。対応する暦書は特定されていない。ローラン・ヴィデルが抜粋したものとは一致しない。
  • 1554年向けの予兆(Des presages de l'an 1554) p.13-26
    • 第91番から第239番(pp.13-26)。対応する暦書は特定されていない。
  • 1555年向けの予兆(Des Presages de l'an 1555)p.27-45
  • 同じ年についての別の予兆(D'un autre presage sur la mesme année.)
    • 第441番から第537番(pp.45-54)。対応する暦書は特定されていない。

第2巻

  • 1556年の予兆(Des presages de l'an 1556)
    • 第1番から第129番(pp.55-65)。対応する暦書は特定されていない。
  • 同じ年についての別の予兆(D'un autre presage sur la mesme année.)
    • 第130番から第159番(pp.65-68)。対応する暦書は特定されていない。
  • 1557年の予兆(Des presages de l'an 1557)
  • 同じ年についての別の予兆(D'un autre presage sur la mesme année.)
    • 第301番から第323番(pp.79-81)。『1557年向けの驚嘆すべき予兆』が元になっているが、ジャン・ド・ラ・ダグニエールの『虚妄の怪物』からの孫引きのため、どの句も断片的で総数も少ない。

 1557年向けとしては『1557年向けの大いなる新占筮と驚異の予言』も存在するが、シャヴィニーはこれに全く触れていない。

第3巻

  • 1558年の予兆(Des presages de l'an 1558)
  • 同じ年についての別の予兆(D'un autre presage sur la mesme année.)

第4巻

  • 1559年の予兆(Des presages de l'an 1559)
    • 第1番から第300番(pp.116-147)。対応するフランス語版の暦書は現存しないが、英訳版『1559年向けの占筮』および英訳版『1559年向けの暦』に対応している。
  • 同じ年についての別の予兆(D'un autre presage sur la mesme année.)
    • 第301番から第440番(pp.147-160)。ロレーヌ枢機卿への献辞を含んでいたらしいが、対応する暦書は特定されていない。
  • 1559年9月16日に起こった月蝕のより多くの説明を含む第三の概論(D'un III e traité contenant plus ample déclaration de l'éclipse de Lune apparue le 16 Septem 1559)

第5巻

  • 1560年の予兆(Des presages de l'an 1560)
  • 同じ年についての別の予兆(D'un autre presage sur la mesme année.)

第6巻

  • 1561年の予兆(Des presages de l'an 1561)
  • 同じ年についての別の予兆(D'un autre presage sur la mesme année.)
    • 第316番から第536番(pp.244-268)。シュヴィニャールは『1561年の驚異の新予言』からの抜粋ではないかと推測している。

第7巻

  • 1562年の予兆(Des presages de l'an 1562)
  • 同じ年についての別の予兆(D'un autre presage sur la mesme année.)

第8巻

  • 1563年の予兆(Des presages de l'an 1563)

第9巻

  • 1564年の予兆(Des presages de l'an 1564)
    • 第1番から第468番(pp.405-461)。対応する暦書は特定されていない。
  • 同じ年についての別の予兆(D'un autre presage sur la mesme année.)
    • 第469番から第652番(pp.461-482)。対応する暦書は特定されていない。

第10巻

  • 1565年の予兆(Des presages de l'an 1565)

第11巻

  • 1566年の予兆(Des presages de l'an 1566)

第12巻

  • 1567年の予兆(Des presages de l'an 1567)

コメント

 暦書はいわば「読み捨て」の出版物なので、多く刷られていたはずだが、現存数はかなり限られている。結果として、特に初期の暦書の内容はシャヴィニーの転記の形でしか知ることができない。そういう意味では非常に貴重な貢献といえるだろう。
 ただし、それらはあくまでも「シャヴィニーの判断が介在した転記」であり、現存する暦書との比較可能な部分については、必ずしも忠実に転記されていないことが明らかになっている。
 それを踏まえれば、批判的に摂取する姿勢が求められることになるだろう。

所蔵先

 現在はリヨン市立図書館に所蔵されている。

 この手稿の存在自体は18世紀のフィリベール・パピヨンによって報告されていた。彼は、ディジョンのボワロー(Boilaud)という医師が持っていると述べていた。その後の所有者の変遷は不明だが、1990年3月にミシェル・ショマラの仲介によりリヨン市立図書館がディジョン市内の所有者から買い取った *2
 1993年から1996年にはリヨン市立図書館による修復作業も行われた *3
 現在の同図書館では、マイクロフィルムによる閲覧や複写ならば、専門の研究者以外にも可能である。

外部リンク



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