予兆詩第153番

予兆詩第153番 1567年12月について

原文

Enfants, freres & sœurs, amis, thresor trouvé.
Le jeune le prelat 1 , le legat 2 & voyage,
La maladie, la femme aura prouvé
Que pour la mort changera de visage. *1

異文

(1) prelat : Prélat HR
(2) legat : Légat HR

(注記1)この詩の初出である『1567年向けの暦』は現存していないが、エクトール・リゴーが転記したメモは存在している。上記の HR はその略である。
(注記2)ジャン=エメ・ド・シャヴィニーの手稿『散文予兆集成』には掲載されていたが、公刊された文献には収録されなかったため、17世紀の『予言集』各版にも引き継がれなかった。

日本語訳

幼子たち、兄弟姉妹たち、友人たちによって宝は見つかる。
若者、高位聖職者、教皇使節、旅。
病は女性を試すであろう、
死のせいで風貌が変わる前に。

訳について

 1行目の直訳は「幼子たち、兄弟姉妹たち、友人たち、見つけられた宝」。
 3行目は直説法前未来、4行目は直説法単純未来で、時制的には3行目の後4行目の出来事が起こることになる。そこで、4行目冒頭の que は avant que と同じ意味にとった(que が avant que と同じに機能しうることは現代でも中期フランス語でも同じ)。

信奉者側の見解

 ジャン=エメ・ド・シャヴィニーは、『フランスのヤヌス』では解釈していなかったが、手稿『散文予兆集成』の欄外に簡潔なメモを残している。
 彼はこの詩をノストラダムスが死んだ後の遺族の様子と解釈した。1行目は遺産が発見されることで、2行目の「旅」は息子のセザールらがパリに遊学したことを指し、後半は妻らが病気にかかったことだという *2

同時代的な視点

 ノストラダムス家の様子という可能性は確かにあるだろう。ただし、2行目の「教皇使節」「高位聖職者」は明らかに似つかわしくないように思われる。「教皇使節」を意味するlegatはこの場合「遺産」の意味かもしれないし、「高位聖職者」は三男のアンドレがのちに修道士になったことと結びつけることもできるのかもしれないが、やや強引なことは否めない。


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