ピロメラ(ピロメーラー、Philomela)は、ギリシア神話に登場する女性。
伝説
アテナイの伝説上の王パンディオンの娘で、姉プロクネはトラキア王テレウスに嫁いだ。
テレウスはピロメラも見そめ、プロクネに内緒で小屋に幽閉し陵辱した。ピロメラは泣き叫び、テレウスを糾弾したことから、激昂した彼によって舌を切られてしまう。
その後、1年ほど幽閉されていたが、布に自らの苦境を表す模様(または文字)を織り込むことを思いつき、人を介してその布をプロクネに届けることに成功する。
プロクネはテレウスに気付かれないようにピロメラを助け、テレウスへの復讐として、イテュス(テレウスとプロクネの息子)を殺害し、料理にしてテレウスに食べさせた。
食後に真実を知らされたテレウスは、ピロメラとプロクネを殺害すべく追いかけるが、その途中で
ヘスティアの力によってプロクネは燕、ピロメラは夜鳴鶯、テレウスはヤツガシラに変身した(変身した鳥には異伝もある)。
夜鳴鶯は美しい声で鳴くが、これは舌を切られて口が利けなくなったピロメラに対するヘスティアの配慮であったという。
【画像】イテュスの首を示すピロメラとプロクネ(ルーベンス筆)
フランス語
フランス語ではフィロメル(Philomèle)で、一般名詞としては詩語で「夜鳴鶯」(小夜啼鳥、ナイチンゲール)の意味で使う。
【画像】夜鳴鶯のスケッチ
ノストラダムス関連
六行詩18番に登場する。しかし、これは偽作と見るべきであろうから、実質的な使用例はないといえるだろう。
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最終更新:2010年09月22日 23:22