Nostradamus: The illustrated Prophecies

 『ノストラダムス・解説された予言集』(Nostradamus: The illustrated Prophecies.)はピーター・ラメジャラーの著書。2003年にオールズフォード(Alresford)のジョン・ハント出版社(John Hunt Publishing Ltd.)から刊行された。


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正式名

  • Nostradamus: The illustrated Prophecies.
    • The new and authoritative translation to commemorate Nostradamus' 500th Anniversary.
  • ノストラダムス・解説された予言集
    • ノストラダムス生誕500周年記念の新しい信頼できる翻訳

内容

 百詩篇集の対訳と解説である。

 百詩篇第1巻1番から第4巻53番までは1555年版を、第4巻54番から第7巻42番までは1557年9月6日版を、第8巻1番から第10巻100番までは1568年版を、それぞれ底本にしている。
 ほとんどの原詩の横には、現代フランス語での注記が添えられ、原文の校訂についての知識を提供してくれる。
 全ての詩篇には韻文による英訳が付けられている。

 解釈は歴史的な出典を重視するもので、ピエール・ブランダムールロジェ・プレヴォら、優れた歴史学者・古典学者らの解釈を参考にしつつ、『ミラビリス・リベル』の分析などに基づくラメジャラー自身の解釈も追加されている。

 付録として第一序文(セザールへの手紙)と第二序文(アンリ2世への手紙)の英訳が収められている。

コメント

 従来、信奉者的な解釈をしていたラメジャラーが実質的に「転向」した最初の解釈書である。
 『ミラビリス・リベル』決定論とでも言いたくなるほどに、そこからの影響を百詩篇の中に読み取っている姿勢については、賛否両論があるだろう。しかし、『ミラビリス・リベル』をはじめとする同時代の文献から多くの文例を訳出し、詩の情景との比較を試みている姿勢が、資料の充実に貢献している側面を持っている点については、評価に値するものと見なして差し支えないだろう。
 当「大事典」における百詩篇集の解説に当たっても、主要な参考文献の一つとして利用させていただいている。

 なお、公刊された文献の中で1557年9月6日版を底本の一つとしたのは、おそらくこの文献が初めてだったと思われる。


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最終更新:2010年09月30日 19:23