六行詩33番

原文

Bien peu apres sera tres-grande 1 misere,
Du peu 2 de bled 3 , qui sera sur 4 la terre 5 ,
Du Dauphiné 6 , Prouence 7 & Viuarois 8 ,
Au Viuarois 9 est vn pauure 10 presage,
Pere du fils, sera entropophage 11 ,
Et mangeront racine 12 & gland 13 du bois 14 .

異文

(1) tres-grande : tres-grand 1600Mo 1611 1627 1649Ca, tres grand 1600Au 1627 1644
(2) Du peu : D'vn peu 1600Mo, De pou 1672
(3) bled : Bled 1672
(4) sur : sus 1611B
(5) terre : Terre 1672
(6) Du Dauphiné : Du Daufiné 1600Au, De Dauphiné 1672
(7) Prouence : Prouance 1627
(8) Viuarois (vers3) : Viuarets[?] 1600Au, Viuerais 1600Mo, Viuerois 1611 1649Ca, Viuarais 1627 1644
(9) Viuarois (vers4) : Viuaroy[?] 1600Au, Viuerais 1600Mo, Viuaeois 1611 1649Ca, Viuarais 1627 1644
(10) vn pauure : pauure 1611B
(11) entropophage : Antropofage 1600Au 1600Mo, antropophage 1611 1649Ca, au tropophage 1627 1644, Antrophophage 1672
(12) racine : rancines 1600Mo, Racine 1672
(13) gland : glan 1600Mo
(14) du bois : des boys 1600Mo, du Bois 1672

校訂

 entropophage は当然 antropophage になっているべき。

日本語訳

もう間もなく非常に大きな困窮があるだろう、
穀類がほとんど無いせいで。それが起こるであろう土地は
ドーフィネ、プロヴァンス、ヴィヴァレで、
ヴィヴァレにはかすかな予兆が存在している。
息子の父親は人食いとなるだろう。
そして彼らは森の木の根やドングリも食べるだろう。

訳について

 peu apres は「その後間もなく」の意味で、bien はそれを強調している。
 2行目後半から3行目にかけて直訳すれば、「それはドーフィネ、プロヴァンス、ヴィヴァレの土地で起こるだろう」だが、各行にできるだけ対応させる関係上、若干意訳した。

信奉者側の見解

 テオフィル・ド・ガランシエールは1640年から1642年ごろの当該地方の状況と解釈した。ただし、彼は飢饉に触れておらず、プロテスタントや内戦といった政治情勢と結びつけた *1

同時代的な視点

 フランス中南部における大飢饉を描写していることは明らかであろう。ただし、17世紀初頭の最初の10年間で飢饉は起こらなかったらしく、それどころか1604年と1609年は豊作だったという *2

 そのような中で差し迫った飢饉の警告を偽作した理由はよく分からない。4行目の「かすかな予兆」が現在形で書かれていることからすると、偽作した時点で何か大凶作を予感させる出来事があったものの、杞憂に終わったということなのかもしれない。

その他

 1600Au では30番になっている。


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