シェバ

 シェバ(Sheba)はアラビア半島南部(現在のイエメン周辺)にいて、紅海を挟んでアビシニア(エチオピア)にも殖民した古代の民族の名前*1。シェバ人が築いた古代の都市および国の名前にもなっている。サバシバとも表記される。

 旧約聖書には、乳香をはじめとする香料を特産物とし、ほかに黄金、宝石などの交易も行った者たちとして登場する。
 「シバとラアマの商人は、あなたと取引し、もろもろの尊い香料と、もろもろの宝石と金とをもって、あなたの商品と交換した」(『エゼキエル書』第27章22節)*2

 ソロモンを訪ねたシェバの女王は特によく知られている。
 「シバの女王はソロモンの名声を聞いたので、難問をもってソロモンを試みようと、非常に多くの従者を連れ、香料と非常にたくさんの金と宝石とをらくだに負わせて、エルサレムのソロモンのもとに来て、その心にあることをことごとく彼に告げた」(『歴代志・下』第9章1節)


【画像】DVD『ソロモンとシバの女王』

ノストラダムス関連

 シェバへの言及は、詩百篇第5巻16番において「シェバの涙」という形で登場するだけである。


【画像】蔀 勇造『シェバの女王 ― 伝説の変容と歴史との交錯』


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最終更新:2010年10月14日 20:12

*1 『聖書辞典』新教出版社

*2 この項の聖書からの引用は全て『聖書』日本聖書協会、1983年 による。