原文
L'autheur1 des maux commencera2 regner3
En l'an six cens & sept4 sans espargner
Tous les subiets5 qui sont à la sangsuë6,
Et puis7 apres s'en viendra peu à peu,
Au franc pays8 r'allumer9 son feu10,
S'en11 retournant d'où12 elle est issuë13.
異文
(1) L'autheur : L'Auteur 1627Ma 1627Di, L'Autheur 1644Hu 1672Ga
(2) commencera : commencera a 1600Au, commenera 1600Mo, conniuera 1627Ma 1627Di 1644Hu
(3) regner : a regner 1600Au, a regne 1600Mo, Regner 1672Ga
(4) & sept : sept 1600Au 1600Mo
(5) subiets 1600Au 1600Mo 1605sn 1611 1628dR 1649Ca : sujets 1627Ma 1627Di, subiects 1644Hu, suiets 1649Xa, subjects 1672Ga
(6) sangsuë : Censue 1600Au 1600Mo, sangsue 1611, Sangsüe 1672Ga
(7) puis : par 1600Mo
(8) pays : pais por 1600Au, Païs 1672Ga
(9) r'allumer : por rallumer 1600Au, r'allumera 1611B, r'eallumer 1627Ma 1627Di, rallumer 1672Ga
(10) son feu : le feu 1600Au, tout son feu 1600Mo
(11) S’en : S en 1628dRb
(12) d'où : d'ou 1672Ga
(13) issuë : yssue 1611A, yssu 1611B, issue 1628dR 1672Ga
日本語訳
諸悪を生み出す者が支配し始めるだろう、
六百と七の年に、例外を設けることなく、
蛭に従っている臣民たち全てを。
ほどなくして、徐々にやって来るだろう、
自由の国に再び火を灯すべく、
蛭が生まれた場所から戻って来つつ。
訳について
5行目の「自由の国に」は「フランク族の国に」とも訳せる。
6行目の elle (「彼女」、女性名詞を指す「それ」)は、先行する女性名詞が sangsue しかないので、「蛭」と訳した。
信奉者側の見解
テオフィル・ド・ガランシエールは、「諸悪を生み出す者」はカトリック信徒のノストラダムスの視点から見たオランダで、1607年から1609年にかけて、英仏の助けを借りつつ、スペインを退けたことと解釈した。
マックス・ド・フォンブリュヌ(未作成)は、「諸悪を生み出す者」をマルクス主義と解釈し、これが1917年以降、フランスにも影響を及ぼしていることと解釈した。607がどうして1917になるのかには触れていない。
エミール・リュイール(未作成)は「蛭」をスペインとし、近未来にスペインが共産主義化し、それがかつてフランス革命の起こった国、フランスに波及すると解釈した。
ジャン=シャルル・ド・フォンブリュヌは、第二次世界大戦序盤のアドルフ・ヒトラーと解釈した。「六百と七」はヒトラーが生まれた1889年4月から1939年10月までが607ヶ月であることを指しているという。
ヴライク・イオネスクは、「諸悪を生み出す者」は現代の中国のことではないかとした。年代については触れていない。
信奉者時代の
ピーター・ラメジャラーは、392年を足す算定に1000を補って、1999年にイスラーム勢力がヨーロッパに侵攻する予言と解釈していた。
同時代的な視点
偽造された時期は1600年から1605年頃なので、近未来の何かを想定したものだろう。
六行詩がブルボン家に好意的な立場で書かれていることを考えれば、「諸悪を生み出す者」はブルボン家にとって邪魔な存在を想定したのかもしれない。
「蛭」を、なぜかガランシエールやモルガールは、当然のことのようにスペインに対応させている。
理由は分からないが、それが正しいのなら、「諸悪を生み出す者」はハプスブルク家の可能性もあるだろう。
その他
1600Au では18番になっている。
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最終更新:2019年12月21日 01:26