六行詩21番

原文

L'autheur 1 des maux commencera 2 regner 3
En l'an six cens & sept 4 sans espargner
Tous les subiets qui sont à la sangsuë 5 ,
Et puis 6 apres s'en viendra peu à peu,
Au franc pays 7 r'allumer 8 son feu 9 ,
S'en retournant d'où 10 elle est issuë 11 .

異文

(1) L'autheur : L'Auteur 1627, L'Autheur 1644 1672
(2) commencera : commenera 1600Mo, conniuera 1627 1644
(3) regner : a regner 1600Au, a regne 1600Mo, Regner 1672
(4) & sept : sept 1600Au 1600Mo
(5) sangsuë : Censue 1600Au 1600Mo, sangsue 1611, Sangsüe 1672
(6) puis : par 1600Mo
(7) pays : pais por 1600Au, Païs 1672
(8) r'allumer : r'allumera 1611B, r'eallumer 1627, rallumer 1600Au 1672
(9) son feu : le feu 1600Au, tout son feu 1600Mo
(10) d'où : d'ou 1672
(11) issuë : yssue 1611A, yssu 1611B, issue 1672

日本語訳

諸悪を生み出す者が支配し始めるだろう、
六百と七の年に、例外を設けることなく、
蛭に従っている臣民たち全てを。
ほどなくして、徐々にやって来るだろう、
自由の国に再び火を灯すべく、
蛭が生まれた場所から戻って来つつ。

訳について

 5行目の「自由の国に」は「フランク族の国に」とも訳せる。
 6行目の elle (「彼女」、女性名詞を指す「それ」)は、先行する女性名詞が sangsue しかないので、「蛭」と訳した。

信奉者側の見解

 ノエル=レオン・モルガールの用語解説では、「諸悪を生み出す者」はペスト、「蛭」はスペイン人となっている *1

 テオフィル・ド・ガランシエールは、「諸悪を生み出す者」はカトリック信徒のノストラダムスの視点から見たオランダで、1607年から1609年にかけて、英仏の助けを借りつつ、スペインを退けたことと解釈した *2

 マックス・ド・フォンブリュヌ(未作成)は、「諸悪を生み出す者」をマルクス主義と解釈し、これが1917年以降、フランスにも影響を及ぼしていることと解釈した *3 。607がどうして1917になるのかには触れていない。

 エミール・リュイール(未作成)は「蛭」をスペインとし、近未来にスペインが共産主義化し、それがかつてフランス革命の起こった国、フランスに波及すると解釈した *4

 ジャン=シャルル・ド・フォンブリュヌは、第二次世界大戦序盤のアドルフ・ヒトラーと解釈した。「六百と七」はヒトラーが生まれた1889年4月から1939年10月までが607ヶ月であることを指しているという *5

 ヴライク・イオネスクは、「諸悪を生み出す者」は現代の中国のことではないかとした *6 。年代については触れていない。

 信奉者時代のピーター・ラメジャラーは、392年を足す算定に1000を補って、1999年にイスラーム勢力がヨーロッパに侵攻する予言と解釈していた *7

同時代的な視点

 偽造された時期は1600年から1605年頃なので、近未来の何かを想定したものだろう。六行詩がブルボン家に好意的な立場で書かれていることを考えれば、「諸悪を生み出す者」はブルボン家にとって邪魔な存在を想定したのかもしれない。
 「蛭」を、なぜかガランシエールやモルガールは、当然のことのようにスペインに対応させている。理由は分からないが、それが正しいのなら、「諸悪を生み出す者」はハプスブルク家の可能性もあるだろう。

その他

 1600Au では18番になっている。


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