六行詩56番

原文

Tost l'Elephant 1 de toutes parts verra 2
Quand pouruoyeur 3 au Griffon 4 se ioindra,
Sa ruine proche, & Mars qui tousiours gronde:
Fera grands faits aupres de terre 5 saincte 6 ,
Grands estendars 7 sur la terre 8 & sur l'onde 9 ,
Si la nef 10 a esté 11 de deux freres enceinte.

異文

(1) l'Elephant : l'Elefant 1600Au
(2) de toutes parts verra : de toute parts viendra 1600Mo, viendra de toutes parts 1600Au
(3) Quand pouruoyeur : Grand pouruoyeur 1600Au, Le pouruoyeur 1600Mo, Quand prouoyeur 1611B, Quand Pourvoyeur 1672
(4) Griffon : griffon 1600Mo
(5) aupres de terre : proche de terre 1600Au, proche la terre 1600Mo, aupres de Terre 1672
(6) saincte : Sainte 1672
(7) estendars : Estendars 1672
(8) terre : Terre 1672
(9) & sur l'onde : & l'onde 1627 1644, & sur l'Onde 1672
(10) nef : Nef 1672
(11) a esté : n'a esté 1600Mo

校訂

 この詩は他の六行詩に典型的な aabccb 式ではなく aabcbc 式に韻を踏んでいる。2行目の joindra との韻を考えると、1行目は1600Au にあるように viendra でも差支えがない。

日本語訳

すぐに象はあらゆる方向から見るだろう、
供給する者がグリフィンと結びつくであろう時に。
その破滅は近い。そして、マルスは始終唸りどおしで、
聖地の近くで大きな諸事件を起こすだろう。
大地にも海にも偉大な軍旗の数々がはためくことになる、
もしも舟が二人の兄弟に取り囲まれたのならば。

信奉者側の見解

 ノエル=レオン・モルガールの用語解説では、提供する者は王太子(ルイ13世)、グリフィンは神聖ローマ帝国、象はトルコとされている *1

 テオフィル・ド・ガランシエールは、象を神聖ローマ帝国、供給する者をフランス王、グリフィンをオランダと解釈し、フランスとオランダで同盟が成立するときに、神聖ローマ帝国が滅びるという予言だろうとした *2

 ジャン=シャルル・ド・フォンブリュヌは、近未来に起こると想定していた第三次世界大戦において、ソ連(提供する者)とグリフィン(ワルシャワ条約機構)が結託して戦うときの、南アフリカ(象)が果たす役割を説明した詩と解釈した *3

同時代的な視点

 モルガールの読み方が当たっているのだとすれば、フランスが従来の親オスマン帝国的な姿勢を改めて神聖ローマ帝国と同盟をむすび、オスマン帝国を滅ぼすことを期待したものだろうか。

 あるいは、アンリ4世は即位以来、ヨーロッパ諸国の大同盟を作り上げ、ハプスブルク家への抑止力にしようとする計画を立てていたので、その計画がルイ13世の代に実現することを期待したものかもしれない。


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