百詩篇第9巻83番

原文

Sol vingt 1 de taurus 2 si fort terre 3 trembler 4 ,
Le grand theatre 5 rempli ruinera,
L'air, ciel & terre 6 obscurcir & troubler,
Lors l'infidelle 7 Dieu 8 & 9 fainctz 10 voguera 11 .

異文

(1) Sol vingt : Sol Vingt 1672, Sol 1712Guy
(2) de taurus 1568A 1568B 1568C : de Taurus 1568I 1590Ro 1597 1600 1605 1610 1611 1628 1649Ca 1649Xa 1668A 1672 1772Ri 1716, Taurus 1627 1644 1650Ri 1653 1665 1712Guy
(3) terre : Terre 1712Guy
(4) trembler : trombler 1597, tremblera 1672
(5) theatre : cheatre 1605 1649Xa, Theatre 1672 1712Guy 1772Ri
(6) L'air, ciel & terre : L'air, Ciel & terre 1611B, L'Air, Ciel, & Terre 1672
(7) l'infidelle : l'Infidele 1672 1712Guy
(8) Dieu : dieu 1568A
(9) & : de 1572Cr
(10) fainctz : sainctz 1568C, faincts 1568I, faim 1572Cr, saincts 1597 1600 1605 1610 1611 1627 1628 1649Ca 1649Xa 1650Ri 1668A 1716, Saincts 1644 1653 1665 1672 1712Guy 1772Ri
(11) voguera : voquera 1627 1644 1650Ri 1653 1665, invoquera 1712Guy

校訂

 4行目について、1568年版では「聖人たち」(saincts)と「怠け者たち」(fainctz)の2通りがあるが、後の時代の版の多くが「聖人たち」を採用しているように、そちらの方が明らかに文脈に適合している。
 voguera(漕ぎ出すだろう)も文脈に合わない。voquera(祈るだろう)と見る方が良い。これは信頼性の低い1627年版などに見られる異文だが、現在は実証的な論者たちからも支持されている *1

日本語訳

太陽は金牛宮の二十度、非常に強く大地が震える。
満員の大劇場が崩れるだろう。
大気と空と大地は暗く混濁し、
その時、不信心者は神や聖人に祈るだろう。

訳について

 大乗訳、山根訳は細部を除いておおむね問題はない。

信奉者側の見解

 テオフィル・ド・ガランシエール(1672年)は、近い将来、1700年以前に起こることになるだろうと解釈していた *2
 バルタザール・ギノー(1712年)は意図的かどうかはともかく、vingt (二十度)がない原文を採用しており、日蝕が起こるときの大地震に関する詩と解釈していた *3
 20世紀以前にこの詩を解釈していたのは、この二人だけだったようである。

 エミール・リュイール(未作成)(1939年)は百詩篇第10巻67番とも関連付けつつ、1941年5月に大地震が起こると解釈していた *4

 五島勉は英国の信奉者ワード(チャールズ・ウォード)の解釈を援用する形で、詩番号から1983年5月10日の可能性があるとしていた *5内田秀男(未作成)も同じ見解をとっていた *6
 ただし、ウォードはこの詩を解釈しておらず、ワードの解釈として五島が援用しているものは単なる創作である。

 川尻徹は1940年5月10日のドイツの電撃作戦開始の予言であると同時に、1999年7月に起こると想定していた木星の衛星イオの破片の地球衝突が、翌年5月10日に大異変を起こすことになる予言としていた *7

 流智明(未作成)は2000年5月11日の地震と解釈していた *8

 霧満攔江は2008年5月12日の汶川大地震(四川大地震)と解釈した *9

同時代的な視点

 百詩篇第10巻67番と関連があるという点は、実証的な側でも異論がない。そして、その地震とは1549年5月4日のモンテリマール周辺の大地震であろうとピエール・ブランダムールが指摘して以来、実証的には異論のない状態になっている *10
 ブランダムールによれば、その日、太陽は金牛宮の23.5度にあり、「太陽は金牛宮の二十度」というのはそれを大まかに示したもののようである。

 ブランダムールは劇場の崩壊に関連し、百詩篇第6巻37番同51番も同じ主題である可能性にも触れている。ただし、この点は必ずしも広く合意されているわけではない。


コメントらん
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  • “金牛宮の二十度”は場所を示している。5月に地震と解釈する人は相当のラッパ吹きである。 -- れもん (2016-04-24 12:08:14)
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