ミシェル・ノストラダムス師の真の百詩篇集と予言集 (アントワーヌ・ベソン)

 『 ミシェル・ノストラダムス師の真の百詩篇集と予言集 』(Les Vraies Centuries et Prophéties de Maistre Michel Nostradamus)は、リヨンアントワーヌ・ベソンによっても出版された。

【画像】ベソン版の扉 *1

正式名

  • LES VRAYES CENTURIES ET PROPHETIES DE MAISTRE MICHEL NOSTRADAMUS.
    • Où se void representé tout ce qui s'est passé, tant en France, Espagne, Italie, Allemagne, Angleterre, qu'autres parties du Monde.
    • Revûës & corrigées suivant les premieres Editions imprimées à Paris, Roüen, Lyon, Avignon, Troyes, Hollande, & autres.
    • Avec la Vie de l'Auteur.
    • Et plusieurs de ces Centuries expliquées par un Sçavant de ce temps.
    • A LYON, Chez ANTOINE BESSON, Marchand libraire ruë Tüpin.
    • AVEC PERMISSION.
  • ミシェル・ノストラダムス師の真の百詩篇集と予言集
    • そこにはフランス、スペイン、イタリア、ドイツ、イギリス、および世界の他の地域で起こったことが全て描かれている。
    • パリ、ルーアン、リヨン、アヴィニョン、トロワ、オランダ、その他で出された初期の諸版に従い、改訂・校正された。
    • 著者の伝記とともに。
    • そして百詩篇集のいくつかの詩篇は当代の一知識人によって解説されている。
    • リヨン、チュパン通りの書肆アントワーヌ・ベソンの工房にて。
    • 認可とともに。

 この題名は1689年ルーアン版1691年ルーアン版などと全く同じである。

内容

 読者向けの注記、伝記、第一序文(セザールへの手紙)、第二序文(アンリ2世への手紙)の順に収録されている。伝記にはドーデによる肖像画が掲載されている。これは本来何の変哲もない肖像画だが、五島勉は「二つの顔を持つ護符」などともてはやした。二つの序文は、それぞれの人物の肖像画が掲載されている代わりに、内容が大幅に縮約されている *2

 続いて百詩篇第1巻から第10巻、第11巻(2篇)、第12巻(11篇)が収録されている。補遺篇は百詩篇第6巻100番第7巻43番同44番、同73番以降の4篇、第8巻の補遺篇(6篇)などだが、第10巻の補遺篇のみが異質で、他の版には見られない補遺篇1補遺篇2が含まれている(番号は仮のもの)。
 予兆詩集六行詩集が続き、最後にジャック・ド・ジャンの献辞と解釈集が掲載されている。解釈集は一部に改変はあるが、1691年ルーアン版が土台になっている。

特色

 リヨンでは1555年の初版から1698年版に至るまで、数十種に及ぶ版が出版されてきたが、その中で『ミシェル・ノストラダムス師の真の百詩篇集と予言集』という題名を持つ版は他にない(実在が定かではない1669年版を除く)。
 リヨンで出された版で百詩篇第8巻の補遺篇6篇を収録したケースも初めてである。
 二つの序文の一部分を割愛したケースは他にもあるが、この版ほどに大幅に縮約されているものは他に例がない。
 百詩篇第10巻に事後予言でしかない補遺篇を二つつけているのもこの版だけだし、従来3行目が途切れていた予兆詩第106番が4行揃っている『予言集』の古版本もこの版だけである。

 そういう意味では異例ずくめの版といえるが、それらの点はむしろ正当性に疑問を投げかける要素でしかなく、こうした編集に何らかの正当性を見出すのは難しい。

刊行年

 この版には刊行年が記載されていない。
 ミシェル・ショマラは1691年頃と推測し、ロベール・ブナズラは1690年頃と推測した。彼らが共通して根拠として挙げているのは、巻末の解釈集の中での1690年のヴァルド派弾圧への言及である *3

 しかし、解釈集がルーアン版の転用なのは明らかであり、ヴァルド派弾圧の解釈にしても1691年ルーアン版から転用されたものに過ぎない。そのことから考えれば1691年頃の刊行と見るのが自然だろう。

所蔵先

  • フランス国立図書館、フランス国会、リヨン県立古文書館、エクス=アン=プロヴァンス市立図書館、メジャヌ図書館、ボルドー市立図書館、グルノーブル市立図書館、リヨン市立図書館、リヨン市立図書館ミシェル・ショマラ文庫、ポール・アルボー博物館
  • クレモナBG、ウェルカム医学史研究所、アンブロジャーナ図書館、ポルトガル国立図書館、ノースウェスタン大学、イリノイ大学、
  • シェイネ(ノストラダムス記念館)、RAMKAT


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