Adaluncatif

 Adaluncatif は意味の確定していない語。様々な可能性が指摘されている。
  • アナトール・ル・ペルチエは、ラテン語 adalligatus の派生語で、「~に結びついた」(attaché à)とした*1
  • エドガー・レオニは Calif を含む語だろうと指摘するにとどまった*2
  • エヴリット・ブライラーは、Adalun と catif に分け、Adalun は北アフリカに見られる家族名、あるいは「偶像」を意味する eidolon の転訛という二説を挙げている。catif は captif(囚われの)、chetif (惨めな、ちっぽけな)、ペルシャ湾岸にある都市カティフ(Katif)、アルジェリア最大の川シェリフ(Chelif)、もしくはムハンマドの後継者の称号カリフ(calif, 教主)の五説を挙げている*3
  • ミシェル・ショマラ出版社が2000年に復刻した1568年版『予言集』には、巻末付録で索引がついている(作成者不明)。その索引では中世アラブ世界の医師アブダルラティフ(Abd-al-Latif, 1161 - 1231)と結び付けられている*4
  • マリニー・ローズはゲルマン系の「高貴な」を意味する形容詞 adalinc と「~的」などを意味する接尾辞 -atif の合成語で、fils Adaluncatif は高貴な者の末裔であることを示すとした*5
  • ジャン=ポール・クレベールはアラディン・カリフ(Aladin-Calife)と綴ろうとしたものだろうとした*6
  • ピーター・ラメジャラーは「教主アブダラの」(d'Abdalah Calif)と校訂した*7

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最終更新:2010年12月06日 23:35

*1 Le Pelletier [1867b]

*2 Leoni [1961]

*3 LeVert [1979] pp.248-249

*4 Les Prophéties (Lyon, 1568), Eds. Michel Chomarat, 2000

*5 Rose [2002c]

*6 Clébert [2003]

*7 Lemesurier [2003b]