百詩篇第6巻33番

原文

Sa 1 main derniere par Alus sanguinaire,
Ne se 2 pourra par 3 la mer 4 guarantir 5 :
Entre deux fleuues 6 caindre 7 main militaire,
Le noir l'ireux 8 le fera repentir.

異文

(1) Sa : La 1628
(2) se : le 1672
(3) par : plus 1649Ca 1650Le 1668A
(4) mer : Mer 1672
(5) guarantir : guarentir 1568B 1568C 1568I 1597 1605 1611A 1628 1649Xa 1772Ri, garentir 1600 1610 1611B 1627 1649Ca 1650Ri 1650Le 1660 1668A 1672, garantir 1588-89 1644 1653 1665 1667 1668P 1716 1840
(6) fleuues : fluues 1557B, Fleuves 1772Ri
(7) caindre 1557U 1557B 1568A : craindre T.A.Eds. (sauf : craindra 1627 1644 1650Ri 1653 1665)
(8) l'ireux : l'iteux 1665, l'Ireux 1672

日本語訳

彼の最後の手勢はハルスを通じて血まみれになり、
海での安全を保証できないだろう。
二つの川の間で軍の手が取り囲み、
黒き者にして怒れる者は彼を後悔させるだろう。

訳について

 Alus については、ピーター・ラメジャラーの読み方に従った *1

 大乗訳4行目「黒と激怒した人は後悔するだろう」 *2 は誤訳。使役の fera および目的語である le が訳に反映されていない。

 山根訳1行目「彼の手はついに血まみれのアリュにより」 *3 も、derniere の位置付けに疑問はあるものの、許容範囲だろうと思われる。

信奉者側の見解

 テオフィル・ド・ガランシエールはアルスという人物を殺す血まみれの男に関する詩ではないかとした *4

 その後、20世紀に入るまでこの詩を解釈した者はいないようである。少なくとも、ジャック・ド・ジャンバルタザール・ギノーD.D.テオドール・ブーイフランシス・ジローウジェーヌ・バレストアナトール・ル・ペルチエチャールズ・ウォードの著書には載っていない。

 マックス・ド・フォンブリュヌ(未作成)Alusをサウルのアナグラムとし、第二次世界大戦中にドイツがイタリアに進軍することと解釈した *5 。アンドレ・ラモンもその解釈をほぼ踏襲した *6
 ロルフ・ボズウェルは1941年にビスマルク号が沈められた後のドイツの戦況と解釈した。彼の英訳では Alus が drydock となっているが根拠は書かれていない *7

 セルジュ・ユタンは1945年秋から冬にドナウ川とライン川の間で終焉を迎えたナチス・ドイツ軍の様子と解釈した *8

 エリカ・チータムAlus を第3の反キリストの名前ではないかとした *9

同時代的な視点

 ピーター・ラメジャラーはタキトゥスの年代記に見られる中東情勢がモデルと推測した。
 西暦36年、メソポタミア地方(「二つの川の間」)を支配していたパルティア王ティリダテス3世は、ローマの傀儡であることから反発を受け、ハルス(Halus)とアルテミタを占領した元パルティア王アルタバヌス2世によってその地位を奪還された *10


コメントらん
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  • ALUSは、キリスト教徒を迫害していたユダヤ人 SAUL (サウロ)のアナグラムであり、一文字削って USAのアナグラムになる。4行は米国初黒人大統領オバマだろう。彼のフルネームは、バラク・フセイン・オバマ・ジュニアであり、イラク大統領のフセインの名前が含まれている! 2行は殺害されたビン・ラディンが海に水葬にされたこと。この詩篇はすなわち、ブッシュJrとオバマの関わる戦争が予言されていた! -- とある信奉者 (2013-03-25 14:27:14)

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