Freins

 Freins は南仏の都市フレジュス(Fréjus)の綴りの揺れ。当時 i と j は印刷上の区別がルーズで、u と n は取り違えられやすかった。つまり、Freins は Freius の誤植とも思われるのだが、ノストラダムスは出版業者の違う『予言集』初版と『1566年向けの暦』とでこの綴りを用いている*1

 なお、この語がフレジュスの綴りの揺れとする読み方は、アナトール・ル・ペルチエ以来、信奉者側にも実証的な論者の側にも異論はない(後の時代の異文 Erins などで解釈している論者を除く)。

登場箇所


 百詩篇第10巻23番(未作成)では Freius を用いており、2音節をあてている(Freins だと1音節になる)。


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最終更新:2011年01月08日 22:16

*1 cf. Brind’Amour [1996] p.441