ノストラダムスの大予言・地獄編

 『 ノストラダムスの大予言・地獄編 』は、五島勉の著書。1994年に祥伝社から出版された、『ノストラダムスの大予言』シリーズの9巻目である。日販調べでの1994年ベストセラー「新書(一般・教養)」部門で第10位にランクインした。



内容

 前書きで、北朝鮮の核の脅威という地獄、大不況という地獄、環境問題という地獄に加え、第四の地獄があると述べている。

 1章「一九九九年、未知の『地獄の王子』が来る」では、ノストラダムスが空から来る恐怖の大王だけでなく、地の底からの「地獄の王子」の出現も予言していたとして、長女マドレーヌとの対話や、『予言集』第二序文(アンリ2世への手紙)の一節が引き合いに出されている。

 2章「東京を襲った怪現象とノストラダムス」は、「地獄の王子」に関わる怪現象として、1993年12月に東京で観測された蜃気楼が取り上げられ、百詩篇第1巻67番百詩篇第1巻17番百詩篇第2巻41番の3篇が「異変詩トリオ」として紹介されている。

 3章「『地獄の王子』の前兆」、4章「魔のエルニーニョ海域」、5章「『地獄の王子』をついに発見」、6章「『地獄の王子』の戦慄の正体」では、異常気象や生態系の異常の例を挙げ、それがエルニーニョ現象と関わっていること、そのエルニーニョはインカの伝説では海底の大魔王と結びついていたこと、エルニーニョの原因が東太平洋の海底火山脈が生み出す巨大な熱水塊であるらしいことなどが述べられている。

 7章「二つの秘詩が告げる複合大破局」では、百詩篇第1巻21番百詩篇第1巻87番が今まで誰も解明できなかった「秘詩」として解釈され、東太平洋の海底火山脈が引き起こす災厄を予言しているとした。

 8章「地獄とフェニックス(不死鳥)」では、わずかな希望の詩として六行詩48番が紹介されている。

 カバーでは、従来のシリーズで瞑目していた顔が、カッと目を見開いた印象的な表情で描かれている。推薦者は食生態学者の西丸震哉。

コメント

 この本のキーワードである「地獄の王子」は単なる誤訳に立脚しており、海外の論者では誰一人扱っていない。また、マドレーヌとの対話にしても、ノストラダムスとマドレーヌの年齢差が44歳として描かれているが、伝記的研究の成果とは一致しない。

 エルニーニョがインカの大魔王の伝説に由来するという話も確認ができない。五島はペルー大使館や中南米の神話や伝説についての研究からさえも見つけられなかったと述べているが、山本弘も指摘したように *1 、そのような忘れ去られた伝説をどのような史料によって再現したのかについて、五島は一言も説明していない。

 「異変詩トリオ」や「二つの秘詩」も、五島の独自の分類である。それらが百詩篇第1巻第2巻に集中しているのは、初版本の原文を転載していることと関係があるのだろう。つまり、ノストラダムス協会による初版の影印本を入手したことから、それを効果的に使うべく、初版収録分の詩篇の中から候補を選んだものと思われる。

書誌

書名
ノストラダムスの大予言・地獄編
副題
1999年 未知の超エルニーニョが地球を襲う
著者
五島勉
版元
祥伝社
出版日
1994年4月30日
注記

外国人研究者向けの暫定的な仏語訳書誌(Bibliographie provisoire)

Titre
Nostradamus no Daiyogen, Jigoku-hen (trad./ Les Grandes Prophéties Infernales de Nostradamus)
Sous-titre
1999 nen, michi no chô-El Niño ga chikyû wo osou (trad./ L'an 1999, Hyper-El Niño inconnu attaquera la Terre.)
Auteur
GOTÔ Ben
Publication
Shôdensha
Lieu
Tôkyo, Japon
Date
le 30 avril 1994
Note
Examen des quatrains I-17, I-21, I-67, I-87, II-41, IV-29 & de Sixain 48


コメントらん
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  • 地獄の往時 -- 峰元 達意 (2015-11-18 11:51:05)
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