マナは『旧約聖書』の「出エジプト記」に登場する食物の名。
「夕べになると、うずらが飛んできて宿営をおおった。また、朝になると、宿営の周囲に露が降りた。その降りた露がかわくと、荒野の面には、薄いうろこのようなものがあり、ちょうど地に結ぶ薄い霜のようであった。」(第16章13節、14節・口語訳)
「イスラエルの家はその物の名をマナと呼んだ。それはコエンドロの実のようで白く、その味は蜜を入れたせんべいのようであった。」(第16章31節・口語訳)
【画像】マナに関する木版画(1591年)
荒野のイスラエル人たちはそれによって飢えをしのいだ。神からの賜りものとされるが、本来の言及の中にはとりたてて奇跡と関連付けようとする意味合いはなかったらしい。
シナイ半島ではギョリュウの葉の樹液ないし葉に付く虫の分泌液が夜に固まり、ベドウィンの食物の一つになっており、アラビア語で「マン」と呼ばれている。
現代フランス語のマナ(manne)は、天からの賜り物の比喩でも使う。中期フランス語では「精神的な糧」の比喩として、古フランス語では「天気雨」の意味でも使われた。
ノストラダムス関連
【画像】関根正雄 訳 『旧約聖書 出エジプト記』岩波文庫
【画像】旧約聖書翻訳委員会 『旧約聖書〈1〉』
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最終更新:2011年01月13日 22:49