ルーアン

  ルーアン (Rouen)はセーヌ=マリティーム県の県庁所在地。セーヌ川沿岸にある河港都市。 ルアン とも表記される。

歴史

 古代ローマ時代の名称はロトマグス(Rotomagus)で、現在名ルーアンはそれが転訛したものである。ロトマグスの語源についてDNLFでは「市場」を意味するケルト語の magos と、恐らくは人名に由来する語の合成だろうとしている。他方で、「マゴス族の都市」を意味し、マゴスは「狩猟」の意味だったとする説もある *1

 中世にはノルマンディー公国の首都となった。百年戦争中にはイングランド領となり、その最中に当たる1431年には、ジャンヌ・ダルクが火刑に処せられた。その舞台となったヴィユー=マルシェ広場は今も残っている。その広場にあるジャンヌ・ダルク教会をはじめ、彼女の名を冠した大通り、橋、塔、博物館などが市内には存在している。

 現在は下セーヌ工業地域の一部であり、各種工業製品を製造するとともにその輸出港としても機能している。
 同時に、世界遺産暫定リスト登録物件のルーアン大聖堂をはじめとする中世以来の建造物群や旧市街が残り、観光地としても有名である *2


【画像】藤本ひとみ 『ジャンヌ・ダルクの生涯』

ノストラダムス関連

 ノストラダムス自身の生涯とルーアンには、特段の結びつきは確認できない。1558年向けの暦書がルーアンでも出版された可能性はあるが、それを手がけたジュルジュ・ロワズレ(未作成)らと直接的な接点があったかどうかは不明である。
 なお、ルーアンのセーヌ=マリティーム県立古文書館には、ノストラダムスと同時代の書店ジュアン・イエスの取引記録が残っていて、ノストラダムスの暦書などが何部くらい出版されていたかをうかがい知る貴重な証言となっている(→Les presages de l'an 1558参照)。


 『予言集』の古版本にはルーアンで出されたものが複数ある。ラファエル・デュ・プチ・ヴァルが手がけた『驚異の大予言』1588年版『驚異の大予言』1589年版ピエール・ヴァランタン(未作成)が手がけた『百詩篇集と驚異の予言』(1611年)などは、『予言集』アヴィニョン版の実在性を検討するための重要な版といえる。
 それ以降にも、ジャック・カイユエらの『真の百詩篇集』(1649年)、ジャン・ウルセルの『真の百詩篇集と予言集』、ジャン=バチスト・ブゾンニュ『真の百詩篇集と予言集』1689年版1691年再版1710年再版などが出版された。
 また、アントウェルペンで出版されたと書かれている『真の百詩篇集、予兆詩集、予言集』(1792年)は、実際の出版地がルーアンではないかと言われている。

 解釈書の中では、ジャック・ド・ジャンの『ノストラダムスの百詩篇集から引用された予言』は、ルーアンで出版されたのではないかといわれている。

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