Centurie de Nostradamus, déterrée par un savant antiquaire du club d'Alençon

 『 アランソン・クラブの博学な古物商によって発見され、市民的婦人連の委員会によって提示されたノストラダムスの百詩篇 』(Centurie de Nostradamus, déterrée par un savant antiquaire du club d'Alençon, et présentée par un comité de Dames citoyennes.)は、1792年に(おそらくパリで)出版された著者不明の諷刺的パンフレット。

正式名

  • CENTURIE DE NOSTRADAMUS, DÉTERRÉE PAR UN SAVANT ANTIQUAIRE DU CLUB D'ALENÇON, ET PRÉSENTÉE PAR UN COMITÉ DE DAMES CITOYENNES.
    • A TRÈS-GROS ET TRÈS-PUISSANT FESSIER, EVEQUE DE L'ORNE.
    • Le jour de son Installation.
    • 1792.

  • アランソン・クラブの博学な古物商によって発見され、市民的婦人連の委員会によって提示されたノストラダムスの百詩篇
    • 非常に大きく力強いロルヌ司教フェシエ様へ
    • その御着任の日に。
    • 1792年

内容

 八つ折版16ページの短いパンフレットである。11ページのバージョンもあるらしいが *1 、本編は11ページで終わっているので、付録が省かれただけのことだろう。

 題名にある単数の「百詩篇」(Centurie)は、この場合1篇の予言詩を指している。それは以下のようなものである。

L'an mil septingente, un, nonante
Du coq plumé fey vient faillante
Fiers crenaulx chuts, enragés loups
Grugent tout crus pastours moult doux
Au chef cy voiras duple corne
Trois après huit leur toube borne,
Lors Cité SAGE larmoyer
Mirant SATAN par son Fessier.

千七百九十一の年、
羽根をむしられた雄鶏によって信仰がなくなるだろう。
尊大な銃眼(の付いた城壁)が崩れ落ち、激昂した狼たちは
とても寛大な羊飼いたち全てを生のまま噛み砕く。
その頭には二重の角を見るだろう。
八の後の三に彼らの群れを制限する。
そのとき、賢者の都市は涙を流す、
その臀部によってサタンに狙いをつけつつ。

 この詩は「1602年にリヨンのフランサンによって出された版の511ページ、第五の書102番目」(la 102 e du livre 5, page 511, édition de Lyon, chez Francin, 1602)の詩篇だといい、パンフレットはこの詩の解釈のみに割かれている。

 11ページ目に「終わり」とあり、そのあとには付録のような位置づけで「司教フェシエの栄えある御登位に関する市民的讃歌」(Hymne civique sur la glorieuse Exaltation de l'Evêque Fessier.)と題する詩が収録されている。

コメント

 言うまでもなく「第五の書102番目」の詩篇は偽物である。
 1602年と明記された版は、リヨンどころか他の都市でも出版された形跡はなく、フランサンという業者の実在も確認できない。また、色々増補されていた1605年版ですら全部で250ページ程度だったのだから、「511ページ」という出典も馬鹿げている。
 このパンフレットの著者は解説の中で「1599年アヴィニョン版」の異文まで引用しているが、そのような版も実在しない。

 なお、上記の詩篇はいくつも綴りがおかしい箇所があるが、それらはもっともらしく見せるための演出だろう。訳に当たってはパンフレット内の解釈を参照した。3行目に「城壁」を補ったのは、これがバスチーユの隠喩だとする解釈を踏まえたものである。
 6行目の「臀部」(fessier)は司教フェシエ(Fessier)との言葉遊びだろうが、本当にこのような名の司教が実在したのかどうかは、当「大事典」として確認していない。

所蔵先

  • フランス国立図書館
  • 大英図書館、ボストン公立図書館

復刻

 2010年に影印版の形で復刻された。しかしながら、それは研究史上なにか重要な価値が認められているということでは全くなく、ほとんど手当たり次第に古い文献が復刻されている中で、たまたま復刻されたという感が強い。


【画像】復刻版の表紙

外部リンク



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