百詩篇第6巻81番

原文

Pleurs, crys & plainctz, hurlement 1 effraieur 2 ,
Cœur inhumain, cruel noir 3 , & transy 4 :
Leman. 5 les isles 6 de Gennes les maieurs,
Sang espancher 7 , frofaim 8 à nul mercy 9 .

異文

(1) hurlement 1557U 1557B 1568 1590Ro 1653 : hurlemens T.A.Eds. (sauf : heurlemens 1600 1649Xa 1672)
(2) effraieur : & frayeur 1600, effrayeurs 1597 1644 1650Le 1668
(3) noir : Roy 1600 1627 1644 1650Le 1650Ri 1668 1716 1840, Roir 1610
(4) transy : trausi 1665
(5) Leman.: Leman, ou Leman T.A.Eds.(sauf : Lemans 1668)
(6) isles : Isles A partir de 1597
(7) espancher : espacher 1610 1716
(8) frofaim : fromfaim 1600 1644 1650Le 1650Ri, forfaim 1611B 1660 1840, from faim 1627, tochsain 1672
(9) mercy : mecy 1627

日本語訳

涙、叫び、嘆き、怒号、恐怖
人でなしで残酷で黒く、凍てついた心。
レマン湖、島々、ジェノヴァの貴族たち、
血が撒き散らされ、情け容赦のない寒さと飢え。

訳について

 3行目はエドガー・レオニマリニー・ローズの読み方に従い、ジェノヴァを後ろにかからせた *1
 4行目frofaimピーター・ラメジャラーの読みが最も説得的と考え、「寒さと飢え」とした。次善の訳は「極度の飢え」であろうと考えられる。

信奉者側の見解

 北イタリアからスイスにかけての戦争の様子なのは一読して明らかだが、ナポレオンの北イタリア侵攻を予言している可能性を示すセルジュ・ユタンのように過去の予言と見る立場と、ジャン=シャルル・ド・フォンブリュヌのように未来の戦争の様子と見る立場がある。

同時代的な視点

 ラメジャラーは『ミラビリス・リベル』が描くアラブのヨーロッパ侵攻のモチーフが描かれているとしつつ、レマン湖が出ているのは、ジュネーヴを本拠としていたカルヴァン派が掃討されることを織りこんでいるためだろうと推測している *2


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