ハインズ博士再び「超科学」をきる

 『ハインズ博士再び「超科学」をきる』は、2011年に刊行されたテレンス・ハインズの著書。井山弘幸訳で、(株)化学同人から刊行された。


【画像】カバー表紙

内容

 2003年に『ハインズ博士「超科学」をきる』の原書第二版が刊行されたことを踏まえ、大幅加筆された章と新しく追加された章を訳出したものである。新しく追加された部分は代替医療や電磁波についての俗説を検証したものなどである。

ノストラダムス関連

 第4章「予言は当たったか? ノストラダムスの大予言」(pp.87-124)も情報が更新されている。ただし、ノストラダムスの予言を直接的に扱っているのは章の冒頭部(pp.88-93)のみで、残りはジーン・ディクソンやタマラ・ランドといった他の予言者・占い師に割かれている構成に変更はない。

 ノストラダムスについては、初版でエドガー・レオニの『ノストラダムスとその予言』を「最も学術的なノストラダムスの研究書」と評価していた箇所が削除されている(その一文以外のレオニ関連の記述に変更はない)。かわりに、ジェイムズ・ランディの著書が「歴史の文脈の中でノストラダムスを捉えた傑出した評伝」として追加されている(原書初版刊行時点ではランディの著書は出ていなかった)。

 予言詩をマルティプル・アウトの好例(曖昧な詩なのでどんな解釈でも引き出せる)と位置付ける分析手法も初版と同じだが、アメリカ同時多発テロ事件に関する詩について、カナダ人学生が作成した偽作に過ぎなかったという情報を追加している。

コメント

 レオニの本を「最も学術的」と評価していた記述が削除されたのは、おそらくランディの著書を踏まえたものだろう。その古典的価値を考えるといささか残念な気持ちもないではないが、信奉者寄りの記述が散見されることも事実であり、その後の研究の進展からすると、仕方のない部分もあるのかもしれない。

 なお、「諸世紀」、「第一世紀」といった初版に見られた訳は、「百詩篇集」、「第一巻」といった具合に差し替えられている。

書誌

書名
ハインズ博士再び「超科学」をきる
副題
代替医療はイカサマか?
著者
テレンス・ハインズ
訳者
井山弘幸
版元
化学同人
出版日
2011年8月20日
注記

外国人研究者向けの暫定的な仏語訳書誌(Bibliographie provisoire)

Titre
Hainzu hakase futatabi “Cho Kagaku” wo kiru (trad./ Dr. Hines tranche encore les Super-sciences)
Sous-titre
Daitai-iryou wa ikasama ka? (trad. / Médecine alternative vous trompe ?)
Auteur
Terence HINES
Traducteur
IYAMA Hiroyuki
Publication
Kagakudoujin
Lieu
Tokyo, Japon
Date
le 20 août 2011
Note
Traduction abrégée en japonais du livre de T. Hines, Pseudosciende and The Paranormal, Second Edition, Prometheus Books, New York, 2003.


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最終更新:2011年11月08日 22:11