パコ・ラバンヌ (Paco Rabanne, 1934年2月18日 - 2023年2月3日) は、スペイン・バスク地方出身のファッションデザイナーである。本名はフランシスコ・ラバネダ・イ・クエルボ (Francisco Rabaneda y Cuerbo) で、スペイン内戦の影響でフランスに移住した。
アルミニウムやプラスチックなどの斬新な素材を駆使した服を多数発表しており、香水の領域でも活躍した。
2023年2月3日にブルターニュ地方で歿した。
【画像】パコ・ラバンヌ 『黄金の小道』(ドイツ語)
【画像】Lydia Kamitsis, Paco Rabanne (Fashion Memoir)
ノストラダムス関連
パコ・ラバンヌはファッション業界の著名人であるが、終末論的な近未来観の影響が強く、ファッションデザインのモチーフとして『ヨハネの黙示録』の新エルサレムを挙げたことなどもある。また、香水のウルトラバイオレットも、「来るべき水瓶座の時代の色」として設定されたものだった。
【画像】パコ・ラバンヌ ウルトラバイオレット マン EDT SP 100ml
そうした思想は著書 『時代の終わり』(La Fin des Temps, Michel Lafon, 1993)で具体的な期日を伴った。ラバンヌはその著書において、地球に小惑星が衝突して訪れる破局を示し、世の終わる日として1999年7月7日を挙げた。
ジャン=ポール・クレベールによると、この本は「記録的な成功を収めた」のだという。
さらに 『1999年、天の火』(1999, Le feu du ciel) では解釈が変わり、1999年8月11日の皆既日食の時にロシアの宇宙ステーション「ミール」が墜落すると主張した。その場所はオーシュ、レクトゥールなどのフランス南西部と首都パリなどで、彼はそうした期日や場所をノストラダムス予言の解釈結果から確定できたと主張しており、パリ壊滅に至っては午前11時22分とまで限定していた。
フランスではこれを本気にして恐れる中高生も現れたため、雑誌やテレビなどでは批判的に検討され、ラバンヌの過去の予言は外れてばかりだったことなども取り上げられた。また、名指しされた都市の市長には、風評被害による観光業への影響を懸念し、損害賠償請求の検討を表明する者も現れた。
日本の1999年の
ノストラダムス現象がそうであったように、真剣な批判だけでなく笑い飛ばそうという動きも見られた。ミールという家電ブランドは予言を逆手に取り、「ミールは予想を裏切って、あなたの台所に着陸しました」という広告を打った。いかにも人を食ったキャッチコピーだが、言い換えると、そのコピーの意味するところが受け手の側にすぐに伝わったということは、ラバンヌの人騒がせな予言がそれだけ知られていたということでもあるのだろう。
【画像】P. Rabanne, Has the Countdown Begun?: Through Darkness to Enlightenment
外部リンク
最終更新:2023年02月08日 00:01