Chaldondon

 Chaldondon, Caldondon は意味を確定しきれていない語。
 大きく分けて地名と捉える説と、占星術師と捉える説がある。詳しくは以下の通り。

  • スペインの都市サルドゥエンド(Zalduendo)と捉える。これは当時の地名の綴りがかなりルーズであったことに注目したロジェ・プレヴォの説で、ピーター・ラメジャラーが支持した*1。スペイン語版ウィキペディアを信じるならば、サルドゥエンド・デ・アラバ(Zalduendo de Álava)は中世に Çalduendo と綴られていたこともあった様である。



  • ショードフォン(Chaudefonds)というフランスにしばしば見られる地名の語源がショードードフォンテーヌ(Chaude-eau-de-fontaine)であることから、そこから派生した失われた地名をさしているのではないかという説。マリニー・ローズが提示した*5。ショードンドン(Chaudondon)という地名が仮に存在したのなら、それがシャルドンドン(Chaldondon)と綴られることは確かにありえる。

  • 占星術師と捉える説。ギリシャ語 Khaldaios から来たと捉えたアナトール・ル・ペルチエが提唱した。マリニー・ローズによれば、Khaldaios とはカルデア人の知識、つまり占星術に長けていたバビロニアの神官に対する呼び名であるという*6シャルル・レノー=プランスが支持しており、カルデア人(Chaldéan)の派生形と捉えるエドガー・レオニも類似の見解と見てよいだろう(レオニは「予言者」と意訳している)。

  • カルケドン(Calcédon)と捉える説。これはマリニー・ローズがカルデア人説とともに否定的に紹介しているもの。

登場箇所



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用語
最終更新:2009年02月10日 22:16

*1 Prévost [1999] pp.207-208, Lemesurier [2010]

*2 Clébert [1984]

*3 Dufresne, Dictionnaire Nostradamus

*4 Brind’Amour [1993] pp.282-283

*5 Rose [2002c] p.439

*6 Rose [2002c] p.49