すべては『ノストラダムスの大予言』からはじまった

 「すべては『ノストラダムスの大予言』からはじまった」は宮崎哲弥の論考。五島勉の『ノストラダムスの大予言』とそのシリーズが、日本の新興宗教にどのような影響を及ぼしたのかを考察している。

内容

 新興宗教の淵源として、五島勉の『ノストラダムスの大予言』シリーズの考察を行っている。そこにおいて、五島の著述内容を「千年王国主義的な救済教義の一変種」として定式化を行っている。さらにそれを踏まえて、同シリーズ(やそれを取り込んだ新興宗教)が受け入れられやすい社会的背景を、共同体の解体や共有可能な価値基準の崩壊による、「この私」の外側に価値判断基準を持ち得ない状況に求めている。

コメント

 この文献は分析それ自体よりもむしろ、五島が持っているらしい創価学会への強い共感を(公刊されている文献として)初めて明らかにした点から、言及されることがしばしばある。

出版

 初出は『宝島30』1995年7月号(宝島社)である。注釈をつけるなどの改稿の上、『別冊宝島・オウムという悪夢』(宝島社、1995年)に再録され、さらに注釈の加除をはじめとする補訂の上、初の単著となった『正義の見方』(洋泉社、1996年/新潮OH!文庫、2001年)にも第5章として収録された。





書誌

論考名
すべては『ノストラダムスの大予言』からはじまった
著者
宮崎哲弥
掲載誌
『宝島30』1995年7月号
再録
『別冊宝島・オウムという悪夢』(1995年)、『正義の見方』(1996年/2001年)

外国人研究者向けの暫定的な仏語訳書誌(Bibliographie provisoire)

Article
Subete wa Nostradamus no Dai-Yogen kara hajimatta. (trad. / Les Grandes Prophéties de Nostradamus, C'est l'origine de tout.)
Auteur
MIYAZAKI Tetsuya
Publication
Takarajima 30, Juillet 1995
Lieu
Tokyo, Japon
Réimpression
AUM to iu akumu, Takarajimasha, 1995 ; Seigi no mikata, Yousensha, 1996 / Sinchôsha, 2001


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最終更新:2012年06月06日 22:01