レランス諸島

 レランス諸島 (Îles des Lérins) はカンヌの南の海に浮かぶ島々で、主としてサン=トノラ島とサント=マルグリット島からなる。日本の観光関連書などでは「レラン諸島」としているものも多い*1

 サント=マルグリット島には紀元前3世紀の遺跡なども残っているが、その名前が知られるようになったのは、4世紀にサン=トノラ島にやってきて修道院を開いた聖ホノラトゥス(サン=トノラ)によってである。彼が開いたレランス大修道院は今も残るが、建物は後の時代に再建されたものである。

 サント=マルグリット島の名前は聖ホノラトゥスの妹にちなんでおり、彼女がこの島に女子修道院を建てたという。この島の砦には1687年から1698年まで、いわゆる「鉄仮面の男」が収容されていたことで知られている。その要塞は1712年に築城の名手ヴォーバンによって補強され、星型要塞として残っている*2

ノストラダムス関連

 ノストラダムスはイタリアなどへもたびたび足を伸ばしていたため、その途中で立ち寄っていたとしても不思議ではないが、いまのところ史料から裏付けることは出来ない。百詩篇第7巻37番で一度だけ言及されている。




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最終更新:2012年12月13日 22:14

*1 『ロワイヤル仏和中辞典』第2版に記載された発音記号を見る限りでは、この場合の s は有音である。

*2 以上、島々の概要はタビトpp.70-71, ノウ [2005] p.162による。