nerte

 (la) nerte詩百篇第7巻37番に登場する単語。DFE と LAF はともに銀梅花(ギンバイカ、ミルト)としている。
 銀梅花は月桂樹と並び、栄冠の象徴とされていた。

 アナトール・ル・ペルチエはロマン語で「黒みがかった、黒色」を意味する単語とした*1
 エドガー・レオニも古フランス語の nerte に「黒」の意味があったとし、それか、ギリシア語で「下部」を意味する nerthe ではないかとした*2
 黒の類語とする読み方はブリューノ・プテ=ジラールも踏襲した*3
 リチャード・シーバースの「夕暮れ」(gloaming) という訳も、この系統といえるのかもしれない。

 ピーター・ラメジャラージャン=ポール・クレベールはマルセイユ近郊の小さな港ラ・ネルト (La Nerthe, 現在はマルセイユ市内) と理解した*4


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最終更新:2012年09月05日 22:33

*1 Le Pelletier [1867b]

*2 Leoni [1961]

*3 Petey-Girard [2003]

*4 Clébert [2003], Lemesurier [2010]