ノストラダムス 1999年から始まる惨劇

 『 ノストラダムス 1999年から始まる惨劇 』は、1997年に刊行されたステファン・ポーラスの著書で、英語版Nostradamus 1999の日本語訳版である。桂ケイ訳で、ソニー・マガジンズから刊行された。


【画像】カバー表紙

内容

 著者は従来のノストラダムス本にない構成をとったとしている。具体的には、過去の解釈を省き、未来に的を絞り、ノストラダムスの四行詩群を本来の配列に並べなおした上で、政治情勢や環境問題との関連性を考察し、近未来に起こる第三次世界大戦を詳述したと述べている。

 全8章である。
  • 第一章 恐怖の大王の降臨
  • 第二章 災害のあと
  • 第三章 第三次世界大戦の勃発
  • 第四章 東ヨーロッパの戦い
  • 第五章 西ヨーロッパの崩壊
  • 第六章 フランスの戦い
  • 第七章 連合軍の反撃
  • 第八章 第三次世界大戦のあと

 章のタイトルにある程度表れているように、ポーラスのシナリオは1999年の恐怖の大王の正体が巨大彗星で、それが地球に衝突することで大災害が起き、そのあとでイスラム勢力がヨーロッパに侵攻する形で第三次世界大戦が引き起こされるというものである。

 日本語版オリジナルとして、荒俣宏が序文を寄せている。

コメント

 ポーラスはノストラダムスが四行詩をきちんと時系列を追う形で記したが、1篇ごとの詩を記した紙を空中に放り投げ、落ちてきた紙を交ぜ合わせた後で、拾い上げた順に詩番号をつけたと主張していた。
 これについては山本弘が突っ込みを入れていたが *1 、史料的に裏付けられる話ではなく、ポーラスの配列が本来の順序であることを示す説得的な論拠が存在しているわけでもない。

 そもそもポーラスの主張が正しいのなら、『予言集』の初版が書かれた時点で全ての詩篇が完成していないといけないはずで、分けて出版されたことと矛盾する。また、百詩篇第7巻が42番で途切れていたことも説明できない。紙を拾い上げた順に詩番号をつけたのなら、なぜ当初の第7巻には43番から100番が存在せず、第7巻42番の次に第8巻1番に飛んでしまったのだろうか。
 さらに呆れることに、ポーラスは百詩篇第11巻第12巻、果ては予兆詩集まで無分別に取り込んでいるのだから、こうした矛盾は一層明らかである。
 彼の描いた巨大彗星云々のシナリオが外れた以上、彼のいう「本来の配列」がまったくのデタラメであったことは明らかだが、そのデタラメさは結果を見るまでもなかったということである。

 なお、山本も指摘していたことだが、ポーラスの著作にオリジナリティはあまりなく、彼が独自性と主張していた要素のあらかたを満たす解釈書など、ジャン=シャルル・ド・フォンブリュヌレニ・ノーバーゲンらの著書のように、海外だけでもいくらでもある。

書誌

書名
ノストラダムス 1999年から始まる惨劇
著者
ステファン・ポーラス
訳者
桂ケイ
版元
ソニー・マガジンズ
出版日
1997年11月14日
注記

外国人研究者向けの暫定的な仏語訳書誌(Bibliographie provisoire)

Titre
Nostradamus 1999 nen kara hajimaru sangeki (traduction / Nostradamus : Les évènements horribles depuis l’an 1999.)
Auteur
Stephan PAULUS
Traducteur
KATSURA Kei
Publication
Sony Magazines Inc.
Lieu
Tokyo, Japon
Date
le 14 novembre 1997
Note
Traduction en japonais du livre de S. Paulus, Nostradamus 1999 : Who will survive?, Llewellyn Publications, 1996


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