ベレロポン

 ベレロポン (Bellerophon, ベレロポーン) はギリシア神話に登場する英雄。ベレロポンテス (Bellerophontes, ベレロポンテース) とも呼ばれる。コリントス出身の見目麗しい若者だが、アルゴス地方でプロイトス王のもとに逗留していた時にトラブルに巻き込まれた。

 プロイトスの妻アンテイアはベレロポンに惚れ、しつこく言い寄ったが、高潔な性格のベレロポンはそんなアンテイアの誘いを断り続け、強く叱責した。これを逆恨みしたアンテイアは自らの着衣を引き裂いてプロイトスのもとへ赴き、ベレロポンが自分に言い寄っただけでなく、手ごめにしようとしたと主張した。
 プロイトスは妻の讒言を信じたが、王が客人を直接殺害するわけにも行かず、アンテイアの実父に当たるリュキアのイオバテス王への使いを頼んだ。ベレロポンはこれを引き受け、イオバテス王に書状を届けたが、その手紙でひそかに依頼されていたのは、ベレロポンをどうにかして亡き者にしてほしいということだった。
 イオバテスはベレロポンにキマイラ退治を命じた。キマイラは当時リュキアを荒らしていた怪物で、さしものベレロポンも途方に暮れていたところ、女神アテナの助けもあって天馬ペガソスを乗りこなすことに成功した。ベレロポンはペガソスのおかげもあって、キマイラを見事に退治することができた。

 イオバテスはなおも難題を突きつけたが、ベレロポンはいずれも見事にこなし、そのうちにイオバテスの誤解も解けた。しかし、のちに何らかの理由 (一説には傲慢さのゆえという) でペガソスを駆って天上の神々のところへ向かったところ、その不遜を不快に思ったゼウスの差し金によって、ペガソスの背から転落した。地上に叩きつけられたベレロポンは一命を取り留めたものの、発狂したとも足を損傷して跛者になったともいう*1

ノストラダムス関連

 詩百篇第8巻13番プロイトスとともに一度だけ登場する。


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最終更新:2012年09月21日 22:05

*1 以上は主に呉『ギリシア神話』上、pp.412-416