世界を動かした予言

 『世界を動かした予言 2043年までに世界の8割が消滅する!?』は、イースト・プレスが2012年10月に刊行したペーパーバックの著書である。編著者は「知的発見!探検隊」。


【画像】 表紙

内容

 全7章のコンビニ本である。マヤ、ホピ族、聖書、コーラン、ファティマ、日月神示、ヒトラー、をのこ草子、聖徳太子、ニュートン、ジョン・タイターなど、さまざまな予言を取り上げている。

ノストラダムス関連

 「ノストラダムスの予言書」(1)~(3)(pp.78-83)で扱われている。

コメント

 ノストラダムス関連は文章量が少ない上に当たり障りのない記述が多いため、伝記や書誌上の事実関係に大きな誤りはないが、特筆すべき要素もない。
 1999年7月について、実は2001年の同時多発テロ事件のことだったとか、2012年にも起こる可能性がある太陽のスーパーフレアを予言していたなどといった解釈が断片的に語られているが、いずれも根拠は示されていない。
 また、ノストラダムスの項目にはエドガー・レオニNostradamus : Life and Literatureなど、いくつかの研究書の写真があるが、これはwebサイト「ノストラダムスサロン」および「Shinsenpou World Blog」からの転載と思われ、きちんと原書に当たったのかは疑わしい (少なくとも、レオニの本はカバーの破れ方などまで一致しており、間違いなく同一の写真である)。

 この本の奥付は2012年10月10日だが、Amazonのデータでは9月29日には出ていたらしい。その数日後に『検証 予言はどこまで当たるのか』が刊行されたのは、ある意味で皮肉といえるだろう。
 このコンビニ本は広く浅く扱っているため、『検証 予言はどこまで当たるのか』がすべての予言に対応できているわけではないが、検証できている予言についての情報量を見比べていただければ、どちらの方が説得的かは明らかではないだろうか。

 なお、この本の前書きのうち、10ページから11ページにかけての8行分は、ウィキペディア日本語版の記事「2012年人類滅亡説」の冒頭部のほぼ無断転載である。しかし、参考文献欄ではウェブサイトへの言及は (先の画像の転載元も含め) 一切なされていない。
 読者がまず最初に見るであろう前書きの時点にまでウィキペディアからの転載が紛れ込んでいるとなれば、「知的発見!探検隊」なる編著者が、この主題に対してどのような姿勢で向き合っているのか、おのずと明らかなのではないだろうか。


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最終更新:2012年10月26日 19:54