Recloing は
百詩篇第10巻84番に一度だけ登場する。現代フランス語辞典はもとより古語辞典の類にも見られない単語である。あえて古語で近い綴りを挙げるなら recloire (囲い込む、閉じ込める) だが、文脈に沿っているかは疑問である。
以下の可能性が指摘されている。
- ラテン語 recollectus からで、「再び捕われること」の意味。アナトール・ル・ペルチエが主張した。
- ラテン語 recolligo からで「回復する」「和解する」などの意味。エドガー・レオニが一案として提示した。ピーター・ラメジャラーは2003年の時点では採用していなかったが、2010年には reconciliation と英訳しており、事実上この読み方を採用している。
- ラメジャラーは2003年の時点では rejoint の誤記などと理解し、reunion (再会、再結合) と英訳していた。上記の通り、この読み方は2010年に放棄されるが、リチャード・シーバースの英訳でも reunion があてられている。
- ロジェ・プレヴォは語源などを示していないが、「法廷での主張」(réclamation en justice) という語釈をつけている。
- ジャン=ポール・クレベールは、récolement (古い法廷用語では、証人の供述の検真)の変形と理解した。
- マリニー・ローズは、ラテン語などを対照しつつ、この場合は異論が起こる訴訟のことではないかとした。
最終更新:2013年01月08日 22:23