百詩篇断片・7番


原文

Dedans Tolose se faira l’assamblée1
Trois fois seront deschasés2 de leur fort
Apparans ... maison accablée.
( ... )

異文

(1) l’assamblée : lassamblèe (Ruzo 1975), l’assamblèe (Ruzo 1982)
(2) deschasés : deschassés (Ruzo)

日本語訳

トゥールーズで集会がもたれるだろう。
彼らは三度、その砦から追い出されるだろう。
〔・・・〕 が明らかになり、邸宅が押し潰される。
〔・・・〕

訳について

 3行目は2音節分の欠落がある。仮に百詩篇正篇の多くの詩と同じように4音節目で区切れるのだとしたら、前半律と後半律に1音節ずつ欠落があることになるので、「〔・・・〕が明らかになり、〔・・・〕邸宅が押し潰される」 とでも表記すべきかもしれない。ただし、たとえば maison の直前の欠落が定冠詞の la などだとしたら、あえて訳すまでもないだろう (grand’ などの可能性もある)。

解説

 ピーター・ラメジャラーはひとこともコメントしていない。

 百詩篇正篇ではトゥールーズはしばしば異端派の活動と結び付けられている(百詩篇第3巻45番百詩篇第8巻40番など)。となれば、1行目の 「集会」 もそのように理解すべきかもしれない。その場合、3行目の前半律の1音節分の欠落は maux (諸悪) やその類義語ではないだろうか。つまり、異端派の活動が明らかになって、有力者の家が取り潰される、ということである。


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最終更新:2013年02月01日 19:32