El Testamento auténtico de Nostradamus

 『 ノストラダムスの真正な遺言 』(El Testamento auténtico de Nostradamus) は1970年ないし1975年に刊行されたダニエル・ルソの著書。スペイン語で書かれたノストラダムス関連書で、1997年や2010年に再版され、フランス語版や日本語版も刊行された。


【画像】 2010年版の表紙

内容

 4部構成でそれぞれ題名が
  • 第1部 遺言書 (El Testamento)
  • 第2部 年代学 (Cronología)
  • 第3部 暗号学 (Criptografía)
  • 第4部 書誌学 (Bibliografía)
となっている。第1部は名前の通り、ノストラダムスの遺言書・遺言補足書を全文紹介しつつ、数字に注目した暗号解釈に踏み込んでいる。第2部はセザールへの手紙を引用しつつ、年代論を分析し、第3部では予言詩をテーマ別に編成するなどして、解釈を発展させている。
 第4部は自身の膨大な蔵書も踏まえた書誌論であり、実質的には第1部から第3部が 「解釈編」、第4部が 「書誌編」 などと二分できそうな構成である。

初版

 1997年のグリハルボ版 (Grijalbo) では、著作権表示欄に " (c) 1970, Daniel Ruzo " と書かれている。初版の出版社名や出版地名の記載はないが、この記述からすれば、1970年に初版が出ていたことになる。
 しかし、1982年のフランス語訳版の場合、" (c) Daniel Ruzo, 1975 " とあり、原書が1975年に刊行されたことを示唆している。

 スペイン国立図書館には1975年にバルセロナのプラサ・イ・ハネス (Plaza & Janés) が刊行した版と、1978年の再版が所蔵されている。また、アメリカ議会図書館でも1975年版の存在は確認できる。メキシコ国立図書館には1997年版と2010年版しかなく、ペルー国立図書館にはこの本はない。

 以上からすると、1970年という刊行年は、何らかの誤認の可能性も否定できない。たとえば、ルソの『黙示録の最後の日々』のスペイン語版は1970年に出ているようなので、それと取り違えた可能性なども想定できる。当「大事典」では、ひとまずグリハルボの著作権表示を尊重して1970年を初版と位置づけておくが、無批判に支持できる情報ではないことにご注意いただきたい。


【画像】 1997年版の表紙

他言語版

 1982年にモナコのロシェ社からフランス語訳版 Le Testament de Nostradamus が刊行された。これは一部の図版の省略などを除けば、十分に忠実な訳といえる。解釈部分はともかく、書誌部分の研究史上の貢献は非常に大きなものがあり、ミシェル・ショマラロベール・ブナズラの書誌でも、参考文献として大いに利用されている。
 そのフランス語版を訳したのが日本の 『ノストラダムスの遺言書』 であったが、「解釈編」 の抄訳に日本語版独自の改変を重ねたものに過ぎず、「書誌編」は一部の図版が不適切な形で流用されはしたが、本文は丸ごと割愛された。


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