マルス(マールス、Mars)は、ローマ神話における軍神。フランス語でもマルス(Mars)、英語ではマーズ(Mars)。
ギリシャ神話のアレス(アレース)に相当するが、マルスはローマ建国の祖ロムルスの父とされ、古代ローマでは特に尊崇を受けた神の一柱である。
ノストラダムスは「戦争」の隠喩としてしばしば使っているようである。
【画像】Veronese (ヴェロネーゼ) 軍神マルス
占星術・天文学
古来、火星にその名が与えられており、現在の英仏語などでも Mars は「火星」の意味も持っている。
一説には、その星の赤さが戦火を連想させたものだからともいうが、戦争の神とこの星を結びつける発想は、カルデア神話にすでに見られた。
【画像】『火星ガイドブック』
暦
春分の日を年初と考えていた古代ローマでは、1年はマルティウス(Martius, マルスの月)から始まっていた。
すでに見たようにローマ神話ではロムルスの父として大いに尊崇されていたからである。
のちに改暦され、1年が12ヶ月になったのに伴い、マルティウスは2ヶ月ずれて3月になった。
3月を意味する仏語のマルス(mars)、英語のマーチ(March)などは、いずれもそれが語源になっている。
曜日についても関連性があり、フランス語で火曜を意味するマルディ(mardi)は、綴りからも容易に推測できるように、「マルスの日」の意味である。
これはスペイン語やイタリア語でも同様だが、英語、ドイツ語、ノルウェー語などの場合は、北欧神話の軍神ティルがもとになっている。
錬金術・化学
錬金術では「鉄」を表す。
関連項目
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最終更新:2009年09月21日 14:41