原文
Nouueaux1 veneus2, lieu basti sans defense3,
Occuper place4 par5 lors inhabitable.
Prez, maisons, champs6, villes7 prendre à plaisance,
Faim8, peste9, guerre10, arpen11 long labourable12.
異文
(1) Nouueaux : Nouueau 1653 1665
(2) veneus 1555V : venus 1555A & T.A.Eds. (sauf : veneux 1589PV, venu 1665)
(3) defense 1555 1840 : defence T.A.Eds. (sauf : deffense 1589PV, deffence 1557B 1588-89 1611B 1649Ca 1650Le 1668 1981EB)
(4) place : la place 1557U 1557B 1568 1588-89 1590Ro 1597 1600 1605 1610 1611 1628 1649Xa 1716 1772Ri
(5) par lors : pour lors 1588-89 1590Ro 1611B 1644 1650Ri 1653 1665 1672 1981EB
(6) maisons, champs : Maisons, Champs 1672
(7) villes : ville 1668P 1716, Villes 1672
(8) Faim : Fain 1605 1628 1649Xa
(9) peste : Peste 1557U 1568A 1568B 1568C 1590Ro 1672 1772Ri
(10) guerre : Guerre 1672
(11) arpen : arpent 1611B 1981EB
(12) labourable : laboura ble 1557U, labourage 1597 1600 1610 1627 1644 1650Ri 1653 1665 1716
日本語訳
新参たちが、建物はあるが無防備な場所であり
その時点で人のいない場所を占有する。
草地、邸宅、田畑、都市を気の向くままに手に入れる。
飢餓、
悪疫、戦争。狭い土地も耕作するには時間がかかる。
訳について
4行目 arpen は arpent の揺れ。arpent は20アールから50アールに該当する古い土地の単位で、転じて「わずかな土地」の意味がある。4行目後半は
ピエール・ブランダムールや
ジャン=ポール・クレベールの釈義 ("L'arpent sera long à labourer") に基づいたが、ブランダムールは 「長い土地は耕作に適するだろう」 とも読める可能性を示しており、
ピーター・ラメジャラーの英訳はそちらに近い。
既存の訳についてコメントしておく。
大乗訳について。
1行目 「新参者がかこいのない場に立ち」は誤訳。basti (bâti) は 「(建物が)建っている」 の意味であって、人が立つ意味ではない。
3行目 「楽しんで野原 家 町をつくるだろう」 は、prendre (英語の take) を 「つくる」 と訳すのが強引だろう。なお、「楽しんで」 は直訳としては誤りではない。当「大事典」では、à plaisir と釈義したブランダムールやクレベールに従っている。
山根訳について。
1行目 「新来の者は護りのない土地を囲み」は、basti を 「囲み」 と訳すことに疑問がある。
3行目 「やがて牧場 家 田畑 村や町がうれしい贈り物となろう」 は意訳にしても、原文から離れすぎではないだろうか。
信奉者側の見解
アンドレ・ラモンは、1943年の時点で、パレスチナに入植しているユダヤ人がいずれ困難に直面することになる予言だろうと解釈した。のちに、
ジャン=シャルル・ド・フォンブリュヌもこの線で解釈し、第二次世界大戦中から戦後にかけてパレスチナ地方にユダヤ人たちが移住し、中東戦争の幕が開いたことと解釈した。
セルジュ・ユタンは1940年に電撃戦でドイツ軍がフランスに侵攻したことの予言と解釈した。
同時代的な視点
関連項目
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最終更新:2013年09月28日 10:32