百詩篇第12巻56番

原文

Roy contre Roy & le Duc contre Prince,
Haine entre iceux, dissension horrible.
Rage & fureur sera toute prouince 1 :
France grand guerre & changement terrible.

異文

(1) prouince : Province 1672

日本語訳

王に対して王、親王に対して公爵、
彼らの間に憎悪、苛烈な不和。
地方全体に猛威と熱狂があるだろう。
フランスの大戦と過酷な変化。

信奉者側の見解

 ジャン=エメ・ド・シャヴィニーは、対立する王と王をフランス王アンリ3世(未作成)とナヴァル王アンリ(後のフランス王アンリ4世)と解釈し、1585年の予言とした *1

 テオフィル・ド・ガランシエールは時期をより広くとり、宗教戦争期のフランスで、カトリック側のフランス王アンリ3世とプロテスタント側のナヴァル王アンリ、カトリック側のギーズ公とプロテスタント側のコンデ親王などが対立していた状況の予言と解釈しており *2ジョン・ホーグもそれを踏襲している *3

同時代的な視点

 一読してフランスの内乱を描いているらしいことが明らかである。ただし、アンリ3世とナヴァル王アンリの対立を示したものと断言できるかは不明である。

 すでに1550年代にはナヴァル王アントワーヌ(未作成)が公然とプロテスタント支持の姿勢を示し、プロテスタントに不寛容な姿勢を見せていたフランス王アンリ2世とは対照的であったし、王侯貴族たちの間でカトリック・プロテスタント双方の立場からの動きが喧しくなりはじめていた *4 。ゆえに、1550年代の段階でもこのような詩を作ることは十分可能であった。

その他

 1611 1627 1644 1650Ri 1653 1665 では省略されている。多くの版で省かれたのが単なる偶然か、それとも政治的配慮があったのかはよく分からない。


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