メドゥーサ

 メドゥーサ (Medousa) はギリシア神話に登場する三姉妹ゴルゴンの一人。髪は蛇になっていて、その目を見た者は石になってしまうという伝説で知られている。フランス語ではメデューズ (Méduse)で、一般名詞としてはクラゲの意味である。

 語源は 「支配・統治する女性」 の意味で、ギリシアの先住民族が崇拝した女神の一柱であったらしい。しかし、神話では、美しい女性だったものが、海神ポセイドンと逢瀬を重ねたために女神アテナの怒りを買い、怪物の姿に変えられたことや、鏡を活用して邪視を避けた英雄ペルセウスに首を刎ねられたことなどが語られている。

 古代においてメドゥーサの首は、魔除けなどの効果を持つデザインとして、様々な工芸品などに彫られた*1
 ローマ皇帝セプティミウス・セウェルスが築いた都市レプティス・マグナ (リビアの世界遺産) の公共広場にも、メドゥーサの首が飾られており、現存する自治体でもイタリアのシチリア自治州、ベルギーのフェリエール、チェコのドハリツェなど、複数の自治体の紋章の図柄に取り入れられている*2

 サブカルチャーの領域でも、蛇の髪や石化させる視線などは広く知られたモチーフとなっている。


【画像】 聖闘士聖衣神話 ぺルセウスアルゴル


【画像】 バービー・アズ・メデューサ

ノストラダムス関連

 詩百篇第9巻84番に登場する Medusin はメドゥーサの変形であると見なされている。


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最終更新:2014年09月20日 00:14

*1 以上は呉茂一『ギリシア神話(上)』pp.371-372、松平俊久『図説ヨーロッパ怪物文化誌事典』による。

*2 Category:Medusa in heraldry(Wikimedia commons)