百詩篇第12巻62番

原文

Guerres, debats. à Blois 1 guerre & tumulte.
Diuers aguets. adueux inopinables.
Entrer dedans chasteau Trompette 2 , insulte:
Chasteau du Ha 3 , qui en seront coulpables.

異文

(1) debats. à Blois : debats, à Blois 1627 1644 1649Xa 1650Ri 1653 1665, debats à Blois 1650Le 1667, debats à blois 1668, & debats, a Blois 1672
(2) chasteau Trompette : chasteau trompette 1611A 1653 1665, Chasteau trompette 1611B 1627 1650Ri, Chasteau-trompette 1644, Chasteau Trompette 1649Xa
(3) Ha : ha 1627 1650Ri

日本語訳

戦争、討論。ブロワでは戦争と喧騒。
様々な待ち伏せ、予想外の自白。
シャトー・トロンペットに入るために、攻撃、
シャトー・デュ・アー、その罪のある人々。

訳について

 1行目 debat は「討論」以外に一般的な「戦闘」などの意味もある。

 大乗訳の4行目「ハーの城のなかへいき だれがせめられるべきだろうか」の後半は、qui を関係代名詞ととるか、疑問代名詞ととるかによる違い。

 テオフィル・ド・ガランシエールの訳を踏まえて3、4行目を意訳するなら「シャトー・トロンペットとシャトー・デュ・アーに押し入った者たちは、そのことについて有罪であろう」とでも理解すべきであろう。ただし、こう訳すためには単語の省略の仕方や語順がいささか不自然だと感じる。

信奉者側の見解

 ジャン=エメ・ド・シャヴィニーが指摘するように、トロンペットとアーはかつてボルドー市内に存在した城塞の名前である。つまり、ここではブロワとボルドーでの騒乱が描かれていると理解できるが、シャヴィニーは16世紀後半のフランスの情勢と解釈している *1 。ガランシエールやジャン=シャルル・ド・フォンブリュヌも細部の見解はともかく、宗教戦争期のフランスと理解している *2

同時代的な視点

 シャヴィニーやガランシエールの解釈に特段の異論はない。例によって事後予言の可能性を疑うべきであろう。

 仮に未来の予言であるとしても、トロンペットもアーも既に消えている(トロンペットは取り壊されてフランス革命以降カンコンス広場になり、アーの跡地には現在、裁判所が建てられている)。このため、予言の対象となりうる時代はフランス革命以前に絞られる。


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