ディオニュソス

  ディオニュソス (Dionysos) はギリシア神話に登場する神。創作活動を司るとともに、葡萄あるいは葡萄酒の神でもある。日本ではラテン語名バックス (Bacchus) を英語読みしたバッカスの名でも知られるが、後述するように非常に多くの異称を持つ神でもある。


【画像】 楠見千鶴子 『酒の神ディオニュソス―放浪・秘儀・陶酔』 講談社学術文庫

概要

 ディオニュソスの起源は未詳であるが、トラキア、プリュギア、リュディア各地方との関連が想定されている。ディオニュソスの語源は一説には「天神の息子」であり、実際、ゼウスを父とするのが一般的ではあったが、古い時期のオリンポス十二神には含まれていなかった。

 母親についてはいくつかの説があるが、テーバイのカドモス王の息女セメレーとされることがしばしばである。このセメレーはプリュギア語の大地母神の名から来ており、本来のディオニュソスは天と地の息子と見なされていたらしい。現在知られるテーバイ王女セメレーの話では、ゼウスの妻である嫉妬深いヘラの詭計にそそのかされたセメレー自身の軽率な申し出によって、セメレーは命を落としたものの、腹の中にいたディオニュソスは無事に生まれてきたとされている。

 ギリシアにこの信仰が流入した際には各地で抵抗が見られたとされ、その祭儀には、保守的な勢力が抵抗を示すような要素が含まれていたことが推測されている。それらは神話にも投影されており、ペンテウス、ミニュアスをはじめ、ディオニュソス信仰に反対した人々が悲劇に見舞われるエピソードがいくつも伝わっている *1

異称

 ディオニュソスには異称がいくつもある。イアッコス、イユンギエス、エウイオス、エレレウス、バッケウス、バッコス、ブロミオス、リュアイオス、レナイオスなどである *2

ノストラダムス関連

 ノストラダムスはこの神のことをいくつもの呼び方で言及している。しかし、Dionysos (フランス語でもこのままの綴り)は一度も使っていない。四行詩の場合、3音節を使うことから避けられたのかもしれない。






 このほか、百詩篇第8巻40番に登場するmaynadeはバッコスの巫女マエナス(マイナス)を指している可能性がある。


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