cailhau

 cailhau百詩篇第4巻44番に登場する単語。
  • アナトール・ル・ペルチエはスペイン語 caida からとして「侮辱、襲撃」(insult) と読んだ*1エドガー・レオニはプロヴァンス語の cailhan からとして、やはり同じように読んだ*2
  • ピエール・ブランダムールはプロヴァンス語と見なし、LTDFに登場する calhau などと同一視して、小石 (caillou) と理解した*3マリニー・ローズも同じ読みで、ローズの場合は地名に転用された例も多いことを指摘した*4。地名への転用はブランダムールも指摘していたが、この場合は不定冠詞がついていることから、固有名詞とする見方を疑問視していた。
  • ロジェ・プレヴォはオック語で cailhau とは、「色を変える者、上着を変える者」という意味だと述べた*5ピーター・ラメジャラーリチャード・シーバースの英訳では apostate (背教者、変節漢)とされていた*6(ただしラメジャラーは後に放棄)。
  • ラメジャラーは2003年の時点ではプレヴォの「変節漢」を支持していたが、2010年には固有名詞(詳述されていないが、おそらくボルドーのカイヨー門)とする読みを採った*7。ただし、ブランダムールが述べていた不定冠詞との整合性は説明されていない。


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最終更新:2015年08月28日 22:38

*1 Le Pelletier [1867b]

*2 Leoni [1961]

*3 Brind'Amour [1996]

*4 Rose [2002c]

*5 Prévost [1999] p.64

*6 Lemesurier [2003b], Sieburth [2012]

*7 Lemesurier [2010]