アブー・マアシャル

 アブー・マアシャル(Abū Ma‘shar, 787年 - 886年)は、イスラーム世界の占星術師。ヨーロッパではアルブマサル(Albumazar)の名で知られた。主著に『占星術華集』(Flores Astrologiae)、『誕生年回帰』(De revolutionibus nativitatum)などがある*1

 ホラーサーンのバルフに生まれ、アル・キンディに師事した。のちにアッバース朝第15代カリフのムウタミドの弟ムワッファクに仕えた*2

ノストラダムス関連

 ノストラダムスはアブー・マアシャル(=アルブマサル)の名に、直接言及したことがある*3
  • 「偉大なアルブマサルの判断によれば、第九宮の火星は、戦争が終わらず、軍隊による大きな動き、軍事行動と戦闘行為とが、有害物と何らかの大きな欠陥を伴うことを意味する」(『予兆集成』第4巻113番)

 アブー・マアシャルは『大合の書』にて木星と土星の合三角宮の関係について論じており、この概念はノストラダムスのいくつかの四行詩に反映しているという指摘もある。


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最終更新:2016年04月27日 21:14

*1 テスター『西洋占星術の歴史』pp.213-215

*2 羽仁礼『図解西洋占星術』pp.146-147

*3 cf. Chevignard [1999]