カディス

 カディス (Cádiz) はスペイン南部アンダルシア地方カディス県の県庁所在地。
 フランス語ではカディクス (Cadix) で*1、古代ローマ時代にはガデス (Gades) といった。

歴史

 その歴史は前11世紀にフェニキア人が建設した商港から始まるとされ、カディスの名はフェニキア語の「城壁、囲い」に由来するという。前501年にカルタゴ、前201年からはローマの支配を受けた。
 一時期衰退を経験するが、イスラームの進出によって再び繁栄し、レコンキスタによってキリスト教徒が奪取すると、その重要な拠点として機能した。

 その後、大航海時代以降は、特権を付与されたアメリカ大陸との貿易で繁栄した。
 スペインのアメリカ大陸植民地の相次ぐ独立などの影響もあって衰退したが、19世紀にはいわゆるカディス憲法制定の地となるなど、歴史的に重要な役割を演じた。

 いまなお商港として機能しており、スペイン海軍の基地もある*2

ノストラダムス関連

 『予言集』での直接的言及は1箇所で、ラテン語名の Gades が使われている。


 このほか、第4巻97番に登場するGagdoleが Gades の誤記とする説がある。
 また、真贋未詳だが、シャストゥイユが伝えた百詩篇断片1番にも Gades で登場している。

地図



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最終更新:2016年05月26日 23:14

*1 『新仏和中辞典』。発音も同辞典の発音記号による。

*2 以上は、蟻川『世界地名語源辞典』、『日本大百科全書』、『ブリタニカ国際大百科辞典・小項目電子辞書版』、『コンサイス外国地名事典』第3版