Apres1 le Roy du soucq2 guerres3 parlant,
L'isle4 Harmotique5 le tiendra à mespris6,
Quelques ans bons rongeant vn & pillant
Par tyrannie7 à l'isle8 changeant pris.
異文
(1) Apres : Apes 1611A, A pres 1611B
(2) soucq : Sud 1672Ga
(3) guerres : querres 1653AB 1665Ba
(4) L’isle : Lisle 1568X, L’Isle 1597Br 1603Mo 1650Mo 1653AB 1665Ba 1667Wi 1672Ga 1720To 1840, L’ sle 1627Ma, L’esle 1627Di
(5) Harmotique : Harmorique 1568X 1610Po 1668A, Armorique 1590Ro, Harmoʇique 1627Di, Harmotigue 1716PR(a b)
(6) à mespris : a mespris 1568X 1672Ga
(7) tyrannie : ty annie 1981EB
(8) à l'isle : a lisle 1568X, à l'Isle 1591BR 1597Br 1603Mo 1606PR 1610Po 1611 1644Hu 1650Mo 1653AB 1665Ba 1667Wi 1716PR(a c) 1720To 1840 1981EB, a l'Isle 1672Ga
3行目も1音節足りない。「良好な数年」と「一人」の関係は不明瞭。その「一人」にとって順調な期間という意味なのか、皆にとって順調な期間が過ぎると「一人」が暴政を敷くということなのか、(おそらく前置詞が欠落しているので)判断が難しい。ラメジャラーやシーバースの英訳では(後半の訳語に違いはあるが)「貪りと掠奪の良き数年間」(a good few years of...)という訳になっている。
ピエール・ブランダムールは釈義をしているわけではないが、百詩篇第2巻59番の語註として、ronger はこの場合、人々に税などを課すことを指しているとした。当「大事典」ではどちらの ronger も「貪る」で統一している。
既存の訳についてコメントしておく。
大乗訳について。
1行目 「南の王が戦争について語ったあとで」(*1)は、底本に基づく訳としては妥当である。ただし、soucqを sud (南) と読み替えることを支持する論者はほとんどいないと言ってよい。
2行目「ハーモティック島はかれらをきらい」は単数の人称代名詞 le を「かれら」とする根拠が疑問。元になったはずのヘンリー・C・ロバーツの英訳でも him になっている。