パドヴァ

 パドヴァ(Padova) はイタリア、ヴェネト州パドヴァ県の県庁所在地。英語名はパドゥア(Padua)、フランス語名はパドゥ(Padoue)。

概要

 伝説上、トロイアの将軍であるアンテノルがトロイア陥落後にイタリアに渡ってきて建設したとされる都市で、古代ローマ時代の名称はパタウィウム(Patavium)。
 紀元前4世紀頃に建設されたバッキリオーネ川沿いの都市で、河川を利用した貿易などで栄えた。ティトゥス・リウィウスの出身地でもある。
 ロンゴバルト人の破壊を経験するが、中世には自由都市として再興を果たし、イタリアで2番目に古いパドヴァ大学の創立によって学芸の町としても名を馳せた。また、ジョットのフレスコ画に代表される芸術の町でもあり、13世紀前半にパドヴァ近郊で歿した聖アントーニオを記念する巡礼地でもあった。

 1405年からはヴェネツィアの支配下に置かれ、18世紀まで続いた。この時期には世界最古の植物園(1545年)が造られており、現在ではその植物園オルト・ボタニーコはユネスコの世界遺産リストに登録されている。

 現代のパドヴァはパドヴァ県のみならず、ヴェネト州を代表する商工業都市となっており、製糖を版締めと刷る食料品工業や、化学工業、繊維工業などが盛んである*1。 

ノストラダムス関連

 ノストラダムスの存命中にイタリア語版の暦書『1563年向けの占筮と暦』がパドヴァの業者クリストフォロ・グリフィオによって刊行されたことがある(ノストラダムスの真作を翻訳したものかどうかは不明)。

 『予言集』では、直接的に言及されたことが一度もない。ただし、百詩篇第6巻76番に出てくる「アンテノルによって建設された古き都市」がパドヴァを指すであろうことは、(一部の奇説を唱える信奉者を除き)異論が全くない。


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最終更新:2016年09月02日 23:37

*1 以上は『ミシュラン・グリーンガイド イタリア』、『ブリタニカ国際大百科事典・小項目電子辞書版』、『日本大百科全書』、『コンサイス外国地名事典』第3版による。