『
バブルは80%はじける―ノストラダムスは日本の財政破綻を予言している』は、2018年に刊行された
上北貴久の著書。
構成
目次は以下の通りである。
- はじめに
- 序 章 再開されたバブル
- 第1章 狂気相場
- 第2章 限りない欲望
- 第3章 日銀はいずれ利上げに追い込まれる
- 第4章 ノストラダムスはアメリカの本土攻撃を予言していた
- 第5章 ノストラダムスは日本の財政破綻と中国の覇権を予言している
- 第6章 アメリカ帝国の滅亡と資本主義の崩壊
- 第7章 バブルは80%はじける
- おわりに
章のタイトルからも見当が付くと思われるが、第3章までが経済情勢の分析や予測で、第4章以降はノストラダムスの的中例の紹介および未来に関する予言解釈となっている。
他方、文学的な解釈には強く否定的で「ノストラダムス本の中にはひどい解釈の本もある。過去の史実と結び付けようとするのだ。自分達はフランス語の権威であり、フランス文学の権威であり、中世ヨーロッパ史の権威であると威張り腐った本である。ノストラダムスが過去の予言などするはずがないのである」と、にべもない。
コメント
いわゆる「ネタバレ」回避の意図もあり、解釈の詳しい内容についての論評は避けるが、方法論については何か新しいものなどを打ち出しているわけではなく、キーワードと、自分の描く未来のシナリオとを結び付けていく、オーソドックスなスタイルの解釈である。
なお、
アナグラムの意味を勘違いしているのか、
Hystra (
詩百篇第1巻40番)が Israel のアナグラムであるとか(p.111)、Tridental (
詩百篇第5巻62番)が Trident のアナグラムである(p.121)といった具合に、アナグラムになっていないものまでアナグラムと呼んでいる。
どの詩にどの論者の訳を使うかについては、特段の判断基準が示されているわけではなく、自身の解釈に結び付けやすい訳文をその都度選択しているように見える。
なお、文学・史学系の「権威」が執筆した解釈書というと、日本の場合『
ノストラダムス予言集』および『
ノストラダムスとルネサンス』(その一部の論文)くらいしか該当するものがないはずだが、「威張り腐った」ような著作には見えず、過剰な中傷であるように思われる。
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最終更新:2018年05月02日 21:26