sceptre は、王権を象徴する杖のこと。ノストラダムスの『予言集』でも、王や王権の代喩として用いられている場面がしばしばである。
当「大事典」では「王杖」(おうじょう)という訳語で統一している。
日本では英語の scepter を「王笏」(おうしゃく)と訳すことが多くあり、英和辞典でもこの訳語を載せているものが多くある。しかし、『広辞苑』や『精選版日本国語大辞典』などには、この熟語は載っておらず、日本語として定着していると言えるのか、疑問もある。
本来、「笏」(しゃく)は、束帯を着用した際に手に持つ板片を指し、かつての1万円札に描かれた(伝)聖徳太子像もこれを手にした姿で描かれている。
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【画像】『聖徳太子の歴史を読む』カバー。聖徳太子が持っているのが本来の「笏」。
つまり、日本で元々「笏」と呼んでいたものには、西洋式の sceptre が指す「杖」の意味合いはない。
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【画像】ミニオンズ USトイザらス限定 DXアクションフィギュア。手に持っているのが scepter。
別にそのためでもないのかもしれないが、『ロベール仏和大辞典』『新スタンダード仏和辞典』は「王杖」という訳語を、「笏」よりも先に置いている。『ロワイヤル仏和中辞典』では「笏」よりも先に、「(王権を象徴する)杖」という説明的な訳語を置いている。『仏和大辞典』(白水社)や『プログレッシブ仏和辞典』第2版には、「王杖」という訳語はあるが、「王笏」はない。ただ、『クラウン仏和辞典』は第5版で「王杖」という訳語しか挙げていなかったのに対し、第7版では「王笏」を「王杖」の前に挙げている。
「王杖」も国語辞典類に見当たらないのは事実であるが、字面から意味を想像しやすいことと、笏と違い、本来の「杖」の意味合いを反映できることから、当「大事典」では、sceptreに「王杖」という訳語をあてている。
登場箇所
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最終更新:2018年09月11日 01:58