Volsques はウォルスキ人(Volsci)を意味するフランス語である。
ウォルスキ人(ヴォルサイ人)は、古代イタリアの民族で、
ローマの少し南に住んでいた。
ティトゥス=リウィウス(リーウィウス)の『ローマ建国史』にも言及がある。
【画像】リーウィウス『ローマ建国史・上』
異説
【画像】カエサル『ガリア戦記』
登場箇所
付記
五島勉は「
このヴォルスク(Volsques)というのは、仏仏辞典ではヴァンダル族のことだという」としているが、事実に反する。
当「大事典」で参照している仏仏辞典のうち、30万語以上をカバーするプチ・ロベール(2016年版)には掲載されていないが、プチ・ラルース(2015年版)には掲載されている。
しかし、その語義は
明らかにウォルスキ人を指している。
【画像】プチ・ラルース(画像は2021年版)
五島のいうヴァンダル云々は、
ヘンリー・C・ロバーツが Vandals という訳語をあてていたことから創作したものであろう。
だが、ウァンダリ人(ヴァンダル族)はゲルマン系の民族で、ウォルカエ人やウォルスキ人とは全く別である。
ロバーツの参照元のはずの
テオフィル・ド・ガランシエールの解釈では、Volsi という綴りとともにローマ近くに住んでいた好戦的な民族と紹介されており、明らかに
ウォルスキ人が想定されている。
それに対し、
ロバーツがウァンダリ人とした語学的根拠は全く不明で、単に自分の解釈に合わせるために曲解しただけの可能性もある。
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最終更新:2021年09月11日 23:13