予兆詩第1番

予兆詩第1番(旧1番) 1555年全般について

原文

D'ESPRIT divin l'ame presage atteinte 1
Trouble, famine, peste, guerre courrir,
Eaux, siccité, terre & mer 2 de sang teinte,
Paix, tresve, à naistre, Prelats, Princes mourir.

異文

(1) D'ESPRIT divin l'ame presage atteinte : L'ame presage d'esprit divin attainte 1555Br
(2) terre & mer : terre mer 1555Br

(注記)1555Brは最初に公刊された『1555年向けの新占筮』での表記。

校訂

 ベルナール・シュヴィニャールの校訂版は、当時 1555Br が行方不明になっていたため、ジャン=エメ・ド・シャヴィニーの転記に従っていた。しかし、1555Br と比べれば1行目の語順が大きく異なっている(atteinte と attainte の違いは当時の綴りの揺れなので無視してよい)。この場合、シャヴィニーが示した語順は彼の勝手な改竄であったと見るべきだろう。

日本語訳

魂が神の御心に触れて予告する、
騒乱を、飢餓を、ペストを、荒廃させる戦争を、
水を、旱魃を、血に染まった大地と海を、
生まれる平和と休戦を、死する高位聖職者たちと君主たちを。

訳について

 2行目 courir は「駆ける」「広まる」などの意味だが、中期フランス語では「略奪する、荒廃させる」(saccager, ravager, piller)の意味もあった *1

 3行目「水」は洪水や長雨など、ノストラダムスがたびたび用いた水の災害のモチーフのことだろうが、ここでは直訳した。

解説

 予兆詩の冒頭の詩であるが、当時一般的だった災厄(飢餓、戦争、ペスト、旱魃、長雨・洪水)が列挙されている。有力者の死も、ノストラダムスの予言によく見られるモチーフである。

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