antenne

 antenne は、現代フランス語辞典には、「アンテナ」「触角」「放送」「支局」などの意味しか載せていないものもあるが、中には「ラテン帆(大三角帆)用の帆桁」*1、「(三角帆を支える)斜めの帆桁」*2、「斜桁」*3といった語義を載せている辞書もある。

 そして、ノストラダムスの時代には、この語はそうした帆桁の意味で用いられた(「帆桁」は、帆を張るために、帆柱に渡された横木のこと)。
 ピエール・ブランダムールは、そのような16世紀の用例として、当時の知識人ラザル・ド・バイフ(プレイヤード派の詩人バイフの父)による語釈を引用している*4

 DALFでもラテン帆用の斜めの帆桁の意味で出ている。


【画像】ドイツレベル 1/450 Spanish Galleon 帆船 05899 プラモデル

信奉者側の見解

 antenneが現代のアンテナの意味でも使われることから、そこから拡大して、無線通信技術やその受信装置と理解されることもある。


【画像】マスプロ電工 高性能型UHFアンテナ 14素子 受信チャンネルch.13~36用 U146TMH

懐疑的な見解

 しかし、『予言集』で登場するのはわずかに2か所で、そのいずれも死体を吊るす場所として描写されている。
 現代的な意味の「アンテナ」を読み込むのは不適切であろう。

登場箇所



※記事へのお問い合わせ等がある場合、最上部のタブの「ツール」>「管理者に連絡」をご活用ください。

タグ:

用語
最終更新:2009年09月20日 12:18

*1 『ロベール仏和大辞典』

*2 『ロワイヤル仏和中辞典』

*3 『新仏和中辞典』白水社

*4 Brind’Amour [1996] p.197