予兆詩第5番

予兆詩第5番(旧6番) 1555年4月について

原文

De n'avoir garde seras 1 plus offensé.
Le foible fort, l'inquiet pacifique.
La faim on crie, le peuple est oppressé.
La mer rougit 2 , le long fier & inique.

異文

(1) seras : sera 1668
(2) rougit : rougir 1649Ca 1650Le 1668

英訳版原文

To take no hede you shall be more offended,
Than vveake strong the inquisitions peasible,
They crie the hunger the people are oppressed
The sea vvaxe redde, the long curst and vvicked.

(注記)この原文は英訳版『1562年向けの占筮』における英訳である。非正規版での訳ということもあり訳の信頼性は疑問だが、同時代に出された資料的価値を考慮し、掲載しておく。

日本語訳

汝は監視をしなかったことで一層侮辱されよう。
強き弱者、平穏な不穏。
人々は飢えを訴え、民衆は抑圧される。
高慢で不公正な長身の男が海を赤く染める。

信奉者側の見解

 ジャン=エメ・ド・シャヴィニーは宗教戦争初期の情勢と捉え、「長身の男」はコリニー提督の弟ダンドロ(Le Sieur d’Andelot)としている *1

 エリゼ・デュ・ヴィニョワ(未作成)は、1871年にピウス9世が領地を失ったことや、同じ年にパリ・コミューンの鎮圧によって人民が大弾圧されたことと関連付けているようである *2

 レヌーチョ・ボスコロ(未作成)は、チリのピノチェト政権と関連づけている *3

同時代的な視点

 実証的な論者は誰もコメントしていないようである。

 監視をすることの必要性と海戦(「海を赤く染める」)が暗示されていることから、オスマントルコの艦隊が攻めてくることが念頭にあったのかもしれない。
 怠慢に乗じて海からムスリム(イスラーム信徒)が攻めてくるという主題は、百詩篇第1巻18番にも見られる。

 なお、2行目のような正反対の語を並べる表現は、百詩篇の方でもしばしば見られる。


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