予兆詩第7番

予兆詩第7番(旧8番) 1555年6月について

原文

Loin près de l'Urne 1 le malin tourne arriere,
Qu'au grand Mars feu donra empeschement.
Vers l'Aquilon 2 , le 3 midy, la grand fiere.
Flora 4 tiendra la porte en pensement.

異文

(1) l'Urne : l'urne 1555Br
(2) l'Aquilon : l'aquilon 1555Br
(3) le : au 1594JF etc.
(4) Flora : FLORA 1594JF etc.

英訳版原文

Farre nie of the potte the vvicked turne avvay,
That to the great Mars fire gaue left
Tovvard the north the south the great spize.
Flora shall holde the gate in thought.

(注記)この原文は英訳版『1562年向けの占筮』における英訳である。非正規版での訳ということもあり訳の信頼性は疑問だが、同時代に出された資料的価値を考慮し、掲載しておく。

日本語訳

水瓶の遠くと近くに、奸悪な者が退がり来る。
大いなるマルスに、火は障害を与えるだろう。
アクィロ、南仏、非常に高慢な女の方へと
フローラは門を開けたままにしておくだろう。

訳について

 4行目は「フローラは考えの中では(=計画上は)門を維持するだろう」と訳す方が一般的だろうと思われるが、ここではピエール・ブランダムールの読み方に従った(pensement参照)。

信奉者側の見解

 ジャン=エメ・ド・シャヴィニーは、1行目を1567年の星位と結びつけ、宗教戦争がフランドルにも波及したことの予言とした。彼はフローラをフィレンツェ(フロランス)出身のカトリーヌ・ド・メディシスと解釈し、彼女が和平を模索したことが4行目に示されているとしている *1

 ジョン・ホーグはフローラをフロリダ、門を港(port)と読み替えて、それをケネディ宇宙センターがあるケープ・カナベラルと結び付けている *2

同時代的な視点

 1行目の星位が土星(「奸悪な者」)の逆行を意味している点には異論はないものと思われる。しかし、ブランダムールは、1555年5月には土星の逆行はなかったことや、宝瓶宮(「水瓶」)から遠いというのが正しくとも、近くにはなかったことを指摘している。

 フローラはフィレンツェのことだろう。ただ、シャヴィニーが推測するようにカトリーヌ・ド・メディシスを想定したものかどうかは分からない。


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