Denys は、酒の神ディオニュソス(Dionysos)のこととされる。
マリニー・ローズや
ベルナール・シュヴィニャールはこの読み方をとっている。もちろん、ここで言う「酒」とはワインのことなので、ワインやブドウの比喩として用いられている可能性もある。
他方でドニ(Denis)を含む地名はフランスのいくつかある。
アナトール・ル・ペルチエはパリ近郊のサン=ドニの教会と大修道院と解釈していたし、
アンリ・トルネ=シャヴィニーは、自身が主任司祭を務めていたサン=ドニ=デュ=パンと解釈していた。百詩篇第9巻24番の場合、
ルテティアと一緒に登場しているので、おそらくパリ近郊のサン=ドニのことだろう。
なお、ノストラダムスは散文体の「予兆」では何度か「暴君デニス」(Denys le tyran)に触れている。シュヴィニャールによれば、紀元前405年から前344年にシラクサに君臨していた2人の暴君の名前だという。シュヴィニャールは予兆詩に出てくるデニスと、散文に出てくる「暴君デニス」は別個に捉えているが、一応紹介しておく。
登場箇所
最終更新:2009年09月21日 11:36